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オウム返し

私は必ずといって人から優しくて良いやつだと
お褒めの言葉を貰える事が今日こんにちに
至るまで言ってもらう機会が増えた。
でも、それは私自身が人一倍二倍も
苦労をしてきたからで、
何も特別でもない、
私はただの30代女ってだけだ。

当時の私は、今の私にはなかった
所謂【超自己中】だった。
自己中は今も変わらない性格だが、
昔の私はやってもらって当たり前、
親に買って貰うのが当たり前、
意に背く事をされたら態度にすぐ出すと言った、
結構な我儘娘だった。
それに、貯金と言う貯金が作れなかった。
つまり自立が出来なかったのだ。

そんな私が変わる事が出来たのは、
エステティシャンとして
働き出した時からだ。
そこの会社は社員の自立を目的とした
社風のため、
1人で成果を出す為の勉強会や、
美容・営業など、様々な会議をする
仕事スタイルをしていた。
私は勿論成果出なくて何度も大泣きした。
お客様からの大クレームにも泣いた。
お手入れの手順が覚えられなくて先輩に
沢山怒られて泣いた。
もう辞めようと何回も思ったぐらいだ。
でも、こんな私でも、
店長だけは諦めないで居てくれて、
絶対成長出来るからとか、
皆で頑張ろうっと、助言の言葉を
私に与えてくれた人だった。
そのお店は他にも
社員の誕生日祝いをすると言う
交流会を設けている。
私は親以外からケーキを貰った事がなかった。
それだけ私の過去の友人達との交流は、
とても浅はかで脆かったのだ。
いや、その関係を作る事が出来なかったのだ。
そのお店で初めて、
親以外からの誕生日ケーキを貰ったのだ。
入社1年目の時、初めてケーキを貰った時は
感激して泣いたものだ。
ずっと箱庭のように親元から離れられず
人からめちゃくちゃな事まで言われ続けた私。
エステで心の古傷は少しずつ癒えて行った。
人からどんなに暴言吐かれようと、
人の為に何かしたいと、
初めて思う事が出来たきっかけはエステ美容界。
少しずつでも私は成長する事が出来て、
4年目にはクラークという大仕事を貰う事も出来、
先輩の大事なお客様のお手入れまで、
入れて貰えるようにまで成長する事が出来た。

人は不思議なものだ。
与えられるものが悪だったら、
悪党になる。
与えられたものが幸だったら、
幸せになる。
人はお互いの良いものを渡し合う事ができれば、
もっと世界は変わり、
もっと苦しみ抱える人が減るのは、
こうして自己経験を通して目に見える。
愚痴は愚痴でしか世界は広がらないのと一緒で、
感謝は感謝で広がるのだ。
私はその幸せを日々貰う事が出来てる。
誰かが私の事を想ってくれてる事だ。
もしかしたらスーパーで売ってる
100円菓子かもしれないけれど、
お疲れ様と渡された時の
あの暖かいエネルギーは、
人を救っているも同然だ。

#やさしさに救われて

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