ロコモがもたらすリスクとは?
運動機能の低下によって日常の移動が困難になってしまうロコモ(ロコモティブシンドローム)。高齢者の健康寿命を保つうえでこの対策が非常に重視されるようになっています。なぜならロコモになってしまうと日常生活、さらに心身両面にさまざまなリスクを抱えてしまうことになるからです。
ロコモがもたらすリスクの中でも最たるものは近い将来に要介護の状態に陥る可能性が高くなる点です。自分で立つ、歩くといった動作が困難になるわけですから、どうしても周囲の人たちの協力・援助が欠かせなくなります。
しかも、自力での移動が困難になることで動く機会が減ってしまい、ますます筋力低下などでロコモが進行してしまう面もあるのです。その結果として寝たきりの状態に陥ってしまう、さらには自宅での生活が困難になって介護施設に入所せざるを得なくなるといったリスクを抱えています。
また、軽度の状況では怪我のリスクが高くなる点も厄介なリスクです。自分で歩くことはできる状態でもちょっとした段差に躓いてしまったり、ふとした拍子にバランスを崩して転倒・落下する恐れがあります。その結果、骨折など怪我をしてしまうリスクもありますし、その怪我がますます運動機能を損ねてしまう可能性も出てきます。
さらに精神面への影響も無視できないでしょう。自分で移動できない、やりたいことをできない、さらには外出して外の空気を吸ったり、友人・知人と交流する機会が失われてしまう。
こうした状況が生きがいの喪失やうつ状態といった精神面の問題をもたらしてしまう恐れもあります。そうした悪化した精神状態がちょっとしたことにイライラするなど、家族との関係に悪影響を及ぼしてしまう恐れさえもあるのです。