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合宿2日目

1度目の目覚めは7時35分だった。
朝風呂に行こうと思っていたのだけど、想像以上に体が暖かかったので、もう1度寝た。

次に起きたのは8時26分だった。
仕方なく起きることにした。

起きたての私の顔は目が細く目尻が下がっていて、顔はぶつぶつ、髭もうっすら、私が1番嫌いな奴の顔に似ていた。

やっぱり自分顔丸いなぁ、唇も荒れてるし
と思いながら同室の子のスキンケアシーンを見る。
その子は私のほうを見てかわいいと言ってくれるが、お世辞だろうか。

後輩が部屋を訪ねてきた。
ネイルが取れたとかなんとかかんとか。
その子は昨日も私たちの部屋にやって来ていて、そのときもネイルが~と言っていた。
たぶん、ネイルが1つでも取れたら死ぬんだと思う。毎回切羽詰まった顔なので。

昨日はいいよ、いいよーみたいなテンションで何かを渡していた、我らが女神もさすがに嫌そうで面白かった。

私が1番に起きた理由は洗面台戦争に勝つためだったが、初動の早さで圧勝した。
今は3人がぎゅうぎゅうになって、髪をとかしている。

朝御飯を食べたらメイクタイムが始まった。
私はメイクの仕方が分からないし、調べるのも、メイクする時間も惜しいのでやっていない。
他の3人が時間をかけてパタパタしている間に、口紅を塗って暇になった。

メイクずっとしてると思ってたと言われた。
ずっとしてなかった。
てか、その理論だとメイクしててもしてなくても変わらなくないか?

いや肌はぶつぶつまみれなのでやったほうが良いは良いのかもしれない。


また、バスに揺られた。
バスの乗車時間はアホみたいに長いので、ほとんどの人が寝ている。
昨日食欲と性欲にまみれていた人たちが同じように睡眠欲を欲するとき私は心底安心し、彼らのことがとても愛おしくなる。


とある場所でうどんを音楽にノッて踏みまくり食べた。

暑い日に熱いうどん、昨日の昼も夜もうどんを食べたのにうどん。

食べ終わったあとは1時間外をぶらぶらした。
金比羅宮に行こうとしたが100段登ったところでタイムアップだったので、鳥居の写真だけ撮らせてもらいすぐに下った。

後輩には上まで行ってお守り買ってきました!という猛者もいたが、ほんとに1時間くらいしかなかったので、別の世界線の話かもしれなかった。

宿に帰ってきて晩御飯を食べた。
味噌汁かと思ったら中にうどんが入っていた。
騙された。
もう私の9割はうどんになってしまった。

そのあとはお風呂にはいった。
昨日は大浴場が閉まっていたので、個室のお風呂だったが、今日は余裕で大浴場に入ることができた。

周りの体型をチラチラ見て、私のお腹はやっぱり少し人より肉がついていることを改めて感じた。

室内のお風呂に入ると仲の良い先輩が手を振ってくれたので振り返す。そのあと先輩が露天に行きそこからも振ってくれたので振り返す。逆になっても振り返すという謎の時間があったり、浸かりすぎてのぼせて気持ち悪くなったり、体を洗うときにみんな手で洗っているのか考えたりしたが久しぶりの大浴場は悪くなかった。

2日目の夜はここからが長い。
全体での宴会が2時間あり、まさにバカ騒ぎといった感じで解散したのが11時ごろだった。

各部屋に分散しそれぞれ話し込み始める12時過ぎ、私たちの部屋に一報が入る。



「ヤバい。私あの人のこと好きかもしれん。」


これは一大事である。以前にも好きな人がいたのか、付き合ったことはあるのか問いただしたところどちらも無し。


人の初恋を初めて見た。


恋してる女子ってこんなにかわいいのか……。
昨日気持ち悪いと思っていた気持ちはどこへやら、ギャーギャー騒ぎまくった。

LINEの返信を一緒に考え、深夜の2時に散歩に誘うことに成功し、「行ってこい!!!」と部屋全員で送り出した。

そこからはその子のことを気にしつつも、他の子の昔の恋愛話を聞き、部活の人は仕事場の同僚感が強すぎて無理という結論に着地したころ例の友だちが戻ってきた。

時計を見ると部屋から出ていってから30分以上経過しており、これは脈ありじゃないか?!とさらにテンションが上がる。

詳細を聞いてもかなり好印象であったので、このままこの子の恋が実ると良いなと思った。

そこからさらに写真を送れ!だの、ご飯に誘え!だのとごちゃごちゃしてる間に時刻は4時を迎えていた。

夜更かし新記録である。

最後にタマゴボーロを1袋食べて自分の部屋に戻った。

戻る途中でロビーを通ると、先輩たちがお酒を飲んでいた。

ええ!起きてるの?と聞かれた。
私は意外と真面目に見られているらしい。
まあ、4時はさすがに今まで無かったけど。

部屋に戻ってテンションを徐々に落として、その日は眠りについた。

4時30分だった。

1日目の電車でメールを送ったラジオは聞けなかった。

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