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サンルート別府の料理

別府の「杉乃井ホテル」のもっと上にそのホテルはありました。
別府を一望出来て眺めの良いホテルでした。
「サンルート別府」
今はありません。
スタイリストをしていた35年程前にあったホテルです。
温泉も良くて、隠れ家の様なホテルでした。

初めは、メニューの撮影で、カメラマンの親分と訪れました。撮影は、洋食と和食。
四季メニューの撮影だったので、年に4回は訪れて撮影していました。
私はシェフが作ってきた料理に合うバックの背景をセットして、料理をもっと綺麗に映る様に“照り”を付けたり、見えを良くしたりするのが仕事です。

撮影後にはいつも、食事を出してもくれていました。特典ですね。
洋食も美味しかったのですが、なんと言っても、和食!
ここの料理は、和食の料理長が、太っ腹な人で、安い料金で、美味しい物をたっぷり出していました。
松花堂弁当と銘打っての料理は、普通松花堂と言えば、多くて9つの枠で仕切られて小さいお惣菜が乗っていますが、ここでは、料理長特製で、12もの枠がありました。
それに、汁物、茶碗蒸し、香の物、ご飯と付くのです。

普通の松花堂。
9つの枠ですね


一つ一つ手の込んだ料理が乗っているのですが、その中に、いつも乗っていたのが、「青梅の甘露煮」でした。
青い大きな梅で、綺麗な形の梅は食べるとプチンと弾けて、甘酸っぱい梅の味が口の中に広がりました。

青梅の甘露煮。
料理長のはもっとパンとしていました

美味しくて、料理長に作り方を聞いた事がありました。するとニコニコしながら
「ナイショ!」と教えてもらえませんでした。
多分、針で青梅を刺していると思うのですが、私がすると針の跡が出てきて綺麗に出来ません。また、煮過ぎていたのか弾けてしまうのです。

もう一つ、素晴らしいメニューがありました。
それが、「ステーキ丼」です。
玉ねぎの和風ソースがかかったお肉もたっぷりの丼です。
¥1000しなかったです。
ステーキが乗った丼だけでも美味しいのですが、これに丼に近い大きさの、「小田巻蒸し」が付いていました。うどんが入った茶碗蒸しですね。すごくボリュームがあるメニューですが、美味しくて食べれてしまいました。

仕事と関係ない時でも、 両親や友達を誘って食べに行っていました。

ところが、別府のホテルが閉鎖になったのです。隠れ家過ぎたのかもしれません。
ガックリしていたら、その料理長から連絡がありました。
次に、北九州の八幡に転勤になったので、撮影に来てくれとの事で、親分と2人で撮影に行きました。

場所は、「スペースワールド」近くの「サンルート」でした。
[注]今は2つともありません!
懐かしの料理長さんにも久しぶりに会って、前にも人気だったメニューは、まだ、残っていました。
撮影は、夜の営業の後、夜中での撮影でした。
料理長が一番大変だったと思うのですが、料理を作り提供するだけで無く、私たちの食事も気を使ってくれました。
そうしてほぼ、徹夜で撮影を終えました。

朝ごはんもいただき、料理長は当日非番だとの事で、ゆっくり休んでもらう事にして、我らは大分へ帰る事にしました。

しかし、徹夜明け、妙にハイテンションになってしまい、まだ行ったことのない、できて間もない「スペースワールド」に寄って帰る事になりました。

今は無き「スペースワールド」


最初は、気分が高揚していたので、乗った事がないという、親分を「ジェットコースター」に無理やり乗せたりしました。
プラネタリウムの様な天井一杯大画面で、スペースシャトルから地球を見ている映像が流れる
施設があり、斜めになった座席で、地球を眺めていたら、2人ともぐっすり寝てしまいました。
爆睡し過ぎて、係員から起こされて、頭スッキリで、大分へ帰りました。
「スペースワールド」も惜しい施設でした。

夏バテが続く時、料理長の「ステーキ丼」を食べると一発で、良くなったものです。
あぁ、懐かしい。


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