2024.04.07 J1 京都サンガvsジュビロ磐田

 生意気にも、印象的なプレーというものをまとめてみようかと思います。というのも、そうした方が、よりゲームでの意図などが見える気がしたからです。人目に触れる方が内容にも気を使える気がするので、公開しようかと思います。後ろ向きな批判は基本的にはしないつもりです。よろしくお願いします。
 DAZNでフルマッチはすぐ見られなくなりますがね・・・。

 鹿島戦の敗北も悲観的な内容ではなく、むしろ希望が持てる負け方だった。負け方としては最高だったと言っていい。新潟戦では2−0勝利と無失点。今節も無失点しなければ勝利の可能性は上がりそうだった。

 FWは、自チーム保持時はツートップで、相手保持時はペイショットワントップ気味になる。
 CBは無失点コンビ継続。特に鈴木海音はオリンピック予選に臨む最後の試合なので、弾みをつけたい。
 SBは初先発の西久保が右で、植村が左。右の推進力を活かして、平川をインサイド気味に、植村はバランスか。
 ボランチは藤原が動いて、上原がバランス気味か。藤原はパスを刺せるのと、上原は気がつくと前線でフリーになれるので、二人の動きも楽しみなところ。

前半終了時点
 アタッキングサイドが中央36%、右32%、左32%とほぼ互角。中央は高さを消され気味だが、後半はサイド攻撃の活性化が必須か。
 ボール奪取位置も自陣31.1mと低め。意図的なものか。これまで前半失点していることもあり慎重になっているのかもしれない。
 シュート数は、サンガ11本だがゴール期待値0.70とそれほど怖さもない。やはり鈴木の1対1が確実に良い方へときている。ジュビロも前半7本で期待値1.22と悪くない。後半エンジンをかけ直せば良い方へ動くはず。
 走行距離は、藤原が圧巻の5.6km。やはりどこにでもいるのは数字でも証明された。これだけ走ればキック精度が落ちるのもやむなしか。意外なところでは平川も4.9kmも走っている。これは走らされているというよりも、コースを開けるなどの動きだと思われる。そのためオフザボールの点で評価されてレギュラーになっていると言えるかもしれない。ただ、本人的には、目に見える結果が欲しいだろう。焦れずに続けて欲しい。

後半終了
 サンガのアタッキングサイドは、左が47%だが、その西久保サイドから2点。おそらくスカウティング通りだっただろう。松本の動きが特に顕著だった。
 ボール奪取位置は自陣30.5mと低いままなので、意図的なものと判断する。これによってボランチ、特に藤原がボールにアタックできる距離が短くなることが利点と思われる。
 走行距離が西久保が11.1kmでトップ。文句なしのMVP。

GK:川島 永嗣
03:36 難なくといったところだろう。
08:54 よく触った。鈴木がトゥーリオを抑えていたこともあるが、ギリギリまで動きを耐えたのはさすが。
56:54 グラッサのパスミスをCKへと逃げる。ダイレクトでもよかったかもしれないが、キックミスしそうな微妙なバウンドだったので難しいか。直後にグラッサと意思疎通。
66:12 あの高さのCKをキャッチできるのは、かなりDFが楽になるはず。ハイボール処理の安定感もレギュラー奪取の必須項目か。

DF:鈴木 海音(OUT 後半49)
10:46 西久保が交わされたためカバーリングはやむなしか。しかしそのため中央のマークがずれて、あわよくば失点。後ろからのコーチングで改善できる可能性はある。
14:44 前から守備に行くのが時な鈴木が、我慢して味方を信じるDFも十分できることを示した。
22:03 局面で1対2になるが時間を稼いでうまく対処。確実にレベルアップしている。
22:56 ここで松本にパスを入れられるのが素晴らしい。相手のベクトルを裏返すパスは後半に向けて確実に効いてくる。
31:30 またも1対1を完璧に封じる。シュートは打たれるがあのコースでは怖さはない。直後の川島のハイタッチがそれを物語る。
53:10 セットプレーで要注意選手に剥がされる。もう少しタイトに守備したかったところか。
58:17 代名詞となりつつあるアグレッシブ・ディフェンス。ノーファールかつ自ボールになるので効果はバツグン。
90:34 不運な出血と頭部負傷で交代。試合後は姿を見せるが、なんとか予選に間に合って欲しい・・・。

DF:高畑 奎汰(IN 93:54)
94:29 ジャーメインに出してもよかったか。ただ、チャレンジした姿勢は高評価。あの時間帯、あの点差で、消極的なことをしてもしょうがない。周りも理解しているはず。
95:37 クロスは合わなかったが、個人的経験から、クロスは上げてなんぼ。公式戦、かつ、ジュビロデビュー戦なので、今は経験が大事。次の試合では合ってくるはず。
96:37 ペイショットへのフィードは正確だった。この先期待できる。

DF:西久保 駿介
08:23 少し上がりすぎたか。ただ、空中線が強いためターゲットになれる。その流れだったので仕方がなし。松原先発時と同様、この裏をどうフォローするかが昨シーズンからの課題だが、松本あるいはボランチのカバーが基本路線か。それよりも攻撃への期待をしたいところ。
50:16 本格的な攻撃参加。あそこで前選択したが、きちんとパスが出てくるところ、練習から信頼を勝ち取っているか。クロスも上げ切った。
50:57 そのクロスから勝ち取ったCKをゲット。体が後ろ向きだが、首や肩あたりの筋肉で強引に前にヘッド。身体能力の高さが窺い知れるゴール。
62:06 猛烈なスピードでアップ。これによってジャーメインは中央へコース変えでき、決定的なシュートまで行けた。この動きがないとこうはいかない。素晴らしいランニング。
64:05 素晴らしいクロス。完璧。
88:31 この時間帯であのランニング、しかも勝つというのは素晴らしい。
(後半終了)鈴木の負傷退場で急遽CBに入るも、問題なくプレー。計算できたのは大きいのでは。

DF:リカルド グラッサ(OUT 74:51)
19:39 クロスへの対応はさすが。簡単にCKにせず、あえて浮き球にして時間を作り、リスクを減らすのも、当たり前のようだがかなり難しい。
34:54 1対1で少し遅れるがコースは切った。ただ、あの角度からファーの枠に飛ばすのはほぼノーチャンスだが、あれがクロス気味なら危なかった。
38:42 あのパスミスはいただけない。上原と藤原が縦に並んでいたのも結果的には不運だったか。ただあそこで前に蹴り出す方が高リスクなので、確実に繋ぎたいところ。
45:10 PKでもおかしくなかったか。ただVARの介入はなしなのでやむなし。
49:48 代名詞の、急に足が伸びるクリア。PKならずでも気持ちが切れておらず素晴らしい。

DF:森岡  陸(IN 74:51)
76:39 川島の背後まで戻っている守備意識の高さ。
81:14 オフサイドを誘発する瞬間の上がりと、その後のクロス阻止。素晴らしい対応。公式戦は久しぶりのはずだが、まったく冴は落ちていない。

DF:植村 洋斗
前半終了 大きく目立つプレーもないが、植村サイドからのピンチもあまりなかった。難なくこなしていて、これまでの外国籍選手よりも楽だったのではないか。左右両方をこなせるのは素晴らしい。植村左の場合は、古川あるいはジョゼが先発で、西久保と両翼でも面白いかもしれない。
58:52 欲を言えば、あそこで前選択できるドリブルがあると、相手を後手に回せる。それはMFの役割と言えるかもしれないが・・・。
61:56 あそこでGKではなく上原を見ているのは素晴らしい。相手のベクトルを裏返すことに成功。直後はジャーメインにダイアゴナル・パス。そのまま逆サイドへ。

MF:上原 力也
21:53 ここまで卒なくプレーしていたが、ここで藤原へのパスミス。現代サッカーではこうしたミスの数が増えている印象。トランジションが早くなるとスピードも上がるため、必然的にミスの可能性も上がる。素人目にはプレーが分断されるように見えるため、新規顧客を引き込むためにも、こうしたミスは避けたいところ。
23:10 上原らしい老獪なフェイク。西久保にはダイレクトであげてほしかったが、DFがいたので難しいか。
25:02 おそらくファールをもらいにいったか。判断が遅くなってしまったが結果的にはチャラに。
34:41 あそこは藤原にリターンしてほしかった。
39:11 プレス回避に成功。素晴らしいドリブル。
76:39 あそこでシュートブロックできるまで守備に戻るのは素晴らしい。同時に、森岡、植村もGKと並んでいる守備意識の高さ。
99:13 疲労しているとはいえ、中途半端にはしてほしくない。

MF:ジャーメイン 良
24:54 相手に足をかけられているが耐え抜いてパス。こうした強さが、チームを前体重に乗せる。
34:32 今や代名詞となったボールキープ。ペイショットもそうだが、ボールよりも相手をよく見て、ポジショニングで勝っていることがポイントだろう。
45:56 難なくボールキープ。彼にとってはアベレージなのかもしれないが、リーグ全体を見てもこれほど高精度のキープは大迫レベルでは。
62:10 植村からのパスをドリブル→ペイショットとのワンツーからシュート。完璧なコースだったがクロスバー。次の試合で爆発か。
76:45 キープだけでなく、ワンタッチも完璧。完全にカウンタとなりCKまで。ペイショットとのワンツー、その前の藤原からのパスも含めて、チームに意志が存在することを確認できる。

MF:松本 昌也(OUT 85:36)
05:50 接触を自ら謝罪したのは素晴らしい。こうしたことが、相手チームへの無用な怒りを増幅させず、結果的にはラフプレーを受ける確率が下がると思っているので、個人的には超重要な行動。
11:16 あそこで中央気味ではなく前選択できるのは素晴らしい。あそこで松本が下がっても次がなく、停滞してしまう可能性が高い。調子が悪い時のジュビロは、こうした前選択ができないことから無駄なパス交換が増える結果、ミスをして奪われるというのがお約束だった。
49:43(前半) あそこで松本がチェイスに行けるのが大きい。西久保は中でクロスに備えられ、数的にも有利。このチェイスができるかどうかがレギュラーの分かれ道になりそう。
54:31 あそこでトゥーリオ相手にキープできる体の強さ。結果的にラインは割ったが、あの位置でならリスク皆無のため素晴らしいプレー。
70:49 やはり前選択が素晴らしい。ここまで相手サイドが空く試合も珍しいが、西久保を警戒して、相手が、相手左サイドからの攻撃を増やそうとした結果だろうか。
79:34 縦勝負できているのは素晴らしい。結果としてクロスもあげてCKに。あそこで勝負できないのなら怖さはない。

MF:藤川 虎太郎(IN 85:36)
96:40 ボールタッチが柔らかく、パスもきちんと通す。基本的なことだが、非常に重要なこと。
(後半終了)シュート練習が最高に好調だっただけに、もっと長い時間見たかった。

MF:平川 怜(OUT 85:36)
04:56 シュートシーンは惜しかった。ボールの置き所は非凡なものを感じる。意図的にバウンドしたか? ここまで無得点かつ、自身の殻を破っている最中のためか、硬さのあるシュートに。インサイド気味にポジションしているのは良い傾向。
29:25 インサイド気味からニアに入り込めたのは素晴らしい。結果的にゴールにはならなかったが、ニアに入らないチームほど守りやすいものはない。
39:38 ハンドとはいえ、枠には飛ばしたかった。
67:08 猛烈なプレスで左サイドには動こかさず。これによって数的有利な右サイドでのバトルに持ち込めるので、非常に有効なプレス。

MF:古川 陽介(IN 85:36)
(後半終了)試合をクローズするためとはいえ、見せ場はあまりなかった。シュート練習が絶好調だっただけに、もっと早くチャンスをあげてもよかったと思う。

MF:藤原 健介(OUT 85:36)
06:45 グラッサとの挟み込みに成功。プレスのスピードとポジショニングが抜群で、数的不利を作らせない動きが試合を通してできている。
14:44 鈴木が遅らせたところをフォローに行った脚力は素晴らしいの一言。あれがなければおそらくシュートまで難なく行っていただろう。
21:46 プレスを回避できることで、一気にボールを運べて陣地奪回できる。ここまであまり見られないプレーだが、これが確実にできるとかなりリスクは下がる。
27:45、44:24、77:40 CKがニアで引っかかることが多い。前節はそんなこともなかったのだが、芝の影響もありそう。
29:12 ここにも藤原が。ボール予測が素晴らしい。直後にペイショットがファールを受けて自ボールにすることに成功。
29:26 ダイレクトで膝高さくらいの難しいボールを枠に蹴り込むのは技術が高い。あれは相手DFのカバーを誉めるべき。
47:20(前半) 触れば1点、触らなくても枠に飛ぶという、お手本のように素晴らしいボール。
47:57 素晴らしいブレ玉FK。枠に飛んでいる。近いうちに直接FKが入るのでは。キッカーを任せられることで、上原の負担もかなり減っていそう。

MF:レオ ゴメス(IN 85:36)
89:11 体格差的にファールを取られやすいが、アジャストしてノーファールでタイトなDFに成功。

FW:マテウス ペイショット(OUT 97:38)
17:57 スローインのターゲットから、すかさずネガティブ・トランジションへの対応をしてボール奪取。視野も広く逆サイドへ運ぶ。パスは乱れたのでそこはアジャストして行きたい。
43:49 PKは決めたかったところ。少し芝に取られ気味だったか、ミートしきれず。嫌な空気になったが・・・。
58:26 ラフなボールもキープできる。徐々にリーグにアジャストしてきたか。
64:05 インタビューによれば、「スタッフとニアへの入り方を確認した」とのこと。西久保とも意思疎通ができており、チームとしてデザインされた特典だと考えるのが妥当か。ニアへの入りをサボらずに、動きを止めずに相手DFに体を当てることで瞬間的にフリーに。素晴らしい得点。待望。
70:49 やはりニアへのランニングを怠らない結果、ゴールが得られた。これで動きを取り戻したことで、ジャーメインとのチャンス分散が可能に。あとは石田、ウェベルトンといったところが上がって来ればプランの選択肢も増し、相手のスカウティングも困難になる。

MF:ブルーノ ジョゼ(IN 97:38)
98:49 腐らずランニングした姿勢は素晴らしい。いつか必ずチャンスが来るので、信じていて欲しい。
(後半終了)古川、藤川同様、もっと早く出しても良い試合展開だったのでは。二試合連続でこの起用は本人としても不満だろう。だが必ず出番は来る。彼の突破はこれから必要だ。腐らずに続けて欲しい。監督もそこはフォローしているだろう。

監督:横内 昭展
 ターンオーバーではなく、調子の良い選手を選考したと考えたい。それで行けば、平均年齢もかなり下がり、その上で結果も出た。ペイショットにも得点が生まれ、言うことなし。ただ、交代の切り方は修正必要か。選手のモチベーション管理の点でも、戦力の上積みという点でも、今日はチャレンジしてもよかったと思う。

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