DA PUMPの5曲を選んでみる

「U.S.A」以降、いろいろな世代が彼らのことを「見つけ」て、とても嬉しい気持ちになっている。私は、デビュー付近から彼らのことが好きでよく聞いていたし、その昔、NHK-BSでやっていた、確か2001年のライブ「EXCITING SUMMER」の映像を繰り返し何度も見ていたのを思い出す。「ちゅらさん」だって毎日見ていたのだ。メンバー脱退や大怪我、ショッピングモールといった、およそスーパーグループとは思えないキーワードからも、再浮上はとても嬉しかった。今のメンバーでオリコン1位を「グループで初めて」とったという事実からも、涙が出る思いだ。レコード大賞でのKENZOの涙は、忘れることができない。

 一方で、彼らが「U.S.A」で再脚光を浴びたときには、すでに私の好みは変遷しており、どちらかと言えばロックに主体をおいたリスニング生活だった。もっと言えば、音楽を聴く趣味は、この時期から今まで、ほとんど消えていると言っても良い。それは単に、個人の好みの問題だ。音楽以外にやりたいことができたからにすぎない。

 私が一番彼らの曲を聴いていたのは、m.c.A•Tプロデュース〜セルフプロデュース時代である。当時、シングル・アルバムはすべて持っていた。ライブDVDは、2000年の「BEAT BALL」だけ持っていたが、友人から借りて、「THE NEXT EXIT」も見ていた。

 このNOTEでは、文章の練習を兼ねて、過去をまとめてみようというのが趣向なので、ここでは、彼らの楽曲の中から5曲選んでみることにした。例によって、以下は順位ではない。

No.1 GET ON THE DANCE FLOOR

 これはセルフプロデュースで、ロックバンドのZZと製作した(と記憶している)曲である。この時期、「LIKE THIS」という、最高に素晴らしいダンスの名曲があるが、楽曲単位で言えば、「LIKE THIS」は、ダンスを見ながらでないと、中盤のインスト部分がだれて聞こえてしまう(ダンスはそこが最高に素晴らしいんです!!!)。

 この曲のPVの楽しさと、HIPHOP(あるいはラップ)にありがちな暗さ・悲痛さみたいなものがまったくないところに昇華したプロデュース力が素晴らしい。当時発売されたCDは、通常盤とDVD付きがあったが、後者を選んで本当に良かったと思っている。

No.2 Back To Your Heart

 アルバム「BEAT BALL」の一曲。DA PUMPの魅力から、ISSAの声を外すことは絶対にできない。彼の曲の中でも、これが一番、その魅力が出ていると思っている。

 ISSAが(真偽はともかくとして)恋多き男と知られていたこともあり、切ない歌詞にグッと説得力が増すし、何よりも、その表情豊かな声が最高だ。シングルカットされていないが、これはぜひ聴いてほしい。

「BEAT BALL」には他にも名曲が多い。「Nice Vibe!」などかなり好きだった。驚いたのはライブ映像で、彼らのライブでは生バンドがいる。コーラスも二人いて、CDと同じように歌っている。これがすごい。彼らの見せ場ももちろんちゃんと作っている。チーム感が感じられて、非常に好ましかったのを覚えている。あと、ISSA以外も、歌は相当うまい。コーラスになるとそれがわかる。

No.3 Loose Life(not so bad)

 一方で、「4人が対等に」歌いラップする楽曲も、私としては求めていた。No.1などはその極地であるが、それ以前は、歌はISSA、ラップはKEN、時々2人も、という曲が多かった(特にシングル曲)。次第に、ラップは4人平等になっていったが、楽曲通してはやはり偏っていた(当然かもしれないが・・・)。

 この曲は、4人が代わる代わるボーカルをとる。まずはそれだけで高得点だ。それまでのキラキラしたストリングス(と言うのかな?)主体の曲たちから一変して、アルバムのラスト2曲のうちの1曲目である。ライブで言えばアンコール後のさらにアンコール、予定になかった登場、といったニュアンスを感じる。この次の「Break! Go!」も特異な曲のように(当時は)映ったが、その後のセルフプロデュースの方向性を打ち出しているようにも見える。そう言う意味では、やはり「Loose Life〜」は最も特異な曲と言えるかもしれない。

 イントロは力が抜けるようなアレンジだが、歌詞の内容はかなりジンとくる。「WOW WAR TONIGHT」と同じジャンルで、大人になる程沁みてくる。疲れたときに風呂でよく聴いている。

 このアルバムのツアーのDVDで、確か最後に、4人がアカペラで、「Stay Together」を歌っていた記憶がある。それを見て、「本当に4人ともうまいんだ」と再確認できた。あれに驚いて感動した人は多かったんじゃないだろうか。

No.4 琉STYLE

 KENのラップが主流の1曲。三線をふんだんにフィーチャーしたこの曲は、とにかくかっこいい。こんな曲は聞いたことがない。一つの発明と言えるし、HIPHOPの可能性を広げたのではないだろうか。

 彼らが、自身のルーツをとても大事にしていることも、なんだか嬉しい。私なんかは、出身地に何の思い入れもないし、こだわりもない。しかし、歴史上様々な経緯がある土地には、こうした人たちがいて、何よりも大事に思っている。そのこと自体は、非常に感銘を受ける。

No.5 From Summer Time…it's All Right…

 初のベストアルバムのボーナストラック。4人が対等にラップするのは、初めてではないだろうか(違うかもしれない)。内容としてはNo.2と似通っているが、ラップの合間にあるISSAの歌が非常に良い。やっぱり、4人で対等に歌って、最後にISSAがドスン、というのが当時の鉄板だったのだな、と感じられる。恥ずかしながら、何度も聞いているうちにソラで歌えるようになった。DA PUMPはすべてどそうだが、カラオケでは歌えない・・・。まあ、原曲で歌えたら歌手になれると思うので、無難に音程を下げます。

(おわりに)次点 Da Pump Single Nonstop Mega Mix

 これは、Remixアルバムの初回限定版に入っていたボーナストラック。当時のすべてのシングル曲と、いくつかのアルバム曲を、1つにまとめてしまったという強引な1曲。Spotifyになかったのでリンクは避ける。ぜひ、中古CDなどで入手して聞いてほしい。最高にカッコいい。

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