N座市による土地区画整理は「法律による行政の原理」に反してますよね?
土地区画整理法は「総額が減歩を補う以上に上がった場合(施行後の総額が施行前の総額を超える場合)は、保留地(売却代金を事業費用に充てる)を設定して良い」(96条2項)旨を定めていますが、
新座市は「このくらい保留地を設定する為には、総額がこのくらいになればいい」という計画を立て、それをそのまま客観的現実として扱っています。そして「(計画上)このくらい上がったから」と、区域内の住民に土地または金銭の負担を強いているのです。計画・施行者である市が自ら価格を自由に決められるなら、法96条2項の規定はあっても無くても同じです。逆に、この規定があるということは「計画・施行者である市が自ら価格を自由に決めてはならない」ってことじゃないでしょうか?
さらに、計画時点で総額が決まっていたということは、個別の価格と上昇の度合いも、計画時点で概ね決まっていたということです。区域内の住民はもちろんそんな説明を受けてないし、「整理前と整理後を不動産鑑定しまして単価を算出します。整理後と整理前の総価格の差、これが保留地として取り得る面積となります」
(平成 21 年 3 月 23 日の新座市議会第 1 回定例会)といった市議会での説明などから「区画整理の影響はきちんと客観的に評価されるのだろう」となんとなく思わされていたのです。
土地についての客観的な指標のひとつが、国税庁が公表している相続税路線価です。平成26年はこの図のようになっていました。この3ケタの数字は千円単位ですので、だいたい16万~18万円になっています。
また、平成29年のものですが、固定資産税路線価図は以下のとおり、14~16万円ほどになっています。
これらの相続税路線価図等から考えても、法律に従えばこの区画整理事業の場合実際には、(10億円分どころか)保留地を設定することはできない可能性が高いです。そして法律に従って保留地が設定されなければ、区域内の住民は土地や金銭の負担がもっと少なくて済んだはずです。
なお,土地の価格(固定資産の価格)は地方税法403条1項で「市町村長は,(固定資産)評価基準によって,固定資産の価格を決定しなければならない」と定められており,全国一律の統一的な評価基準によって評価されなければならないものです。N座市は固定資産税評価額についてはそれに従い、上記相続税路線価と整合性のある価格を設定していました。しかし、区画整理における評価額は25万9千円(予定価額=平均の価格)になったとしており、2つの価格を恣意的に設定して使い分けています。まさに『法律による行政の原理(行政は行政機関独自の判断で行われてはならず,立法府の制定する法律に従って行わなければならない)』に反するものです。反するものですよね?
行政について詳しい方、教えて下さい。