夢追い人兼フリーター,小学校の先生になったってよ‼️
これは,臨時講師・小学校教諭として16年間学校現場で教育に携わったある人物が見てきた景色ーーをそれっぽく,安っぽく文字にして綴った,ただの日記であり,ただの記録である。ハイボールのお供に,味のわからないまんまナッツの横にでも添えてもらえればよし。
・ピンクTシャツの男
錆びついた門の鍵は開きっぱなしになっていた。校舎に囲まれた中庭を通り抜けながら,私は校長室を目指している。4日前までフリーターだった私は,来週から小学校の先生になることになっていた。事前情報によると,休まれる先生の代わりに2年生の担任になるとかならないとか。
その日,校長から言われたのは4・5・6年生の理科専科だった。紆余曲折あったのか。何も知らないので,快諾して帰りにコンビニでアイスを買って食べた。まだ残暑が厳しかった9月のこと。働く内容どうのこうのより,頭の中にあったのは「ああ,これでやっとお金がもらえる。」だった。
週明けの月曜日に出勤。学校には全校朝会という文化があるらしい。そういえばドラマとかで見たことあるな。校長の話が長いとかごちゃごちゃ言うやつ。あいにくの雨だったので,テレビ放送で行われるらしい。理科室に行こうしていたら,子どもたちにあいさつをするから放送室に行けと指示を受けた。「動きやすい服装で」とのことだっでので,スーツを着ていなかった。
テレビだから顔だけかな・・・そう思って,画角など気にせずそのまましゃべった。ピンクのTシャツを着ていたけど,まぁ大した問題ではなかったはず。その日は,理科室で明日からの授業の準備をして終わった。
翌日の朝,少し年上で20代後半と思われる女性の先生に話しかけられた。
「あのさ,あのシャツはないで🤣・・・」
失礼な。若手の先生たちの間では,テレビ朝会にピンクのシャツで登場するヤバいやつが来たと話していたらしい。
とにかく,こうやって無事に学校の先生として1日目を迎えた。
次の話
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