大人バックパッカー(その13)「何しにタイへ?」品行方正の旅で安全確保。

2022年12月23日 プノンペン時間午前10時記す。

主に東南アジアをぐるぐる旅してきましたが、行き先にタイが含まれることが多いと話すと、「なぜタイばかりに行くの?」と聞かれます。昔の日本人の大人男子のエッチな遊びを記憶している方は(今も、そういう遊びはできるようですが)ニヤニヤ顔で聞いてきますが、旅先の私はこの上なく品行方正です。

ひたすら歩き、ビールを飲み(鼠風に言えば、25メートルプール一杯分ぐらい。ま、オーバーですが)、カジノがあれば律義に立ち寄り(義理があるような間柄ではないのですが。ちなみにタイにはカジノはありません)、よく眠るようにしています。
女性と飲む場所には近づきません。ですから、危ない思いをしたことはありません。

以前、バンコク在住のスポーツ紙OB記者がいて、彼と私と元文春のエース記者の中村竜太郎と一緒にゴーゴーバーへ行ったことがあります(竜ちゃん、ごめんね、名前出して。でも悪いことはしてないしね。カンベンカンベン)。
ポールダンスをする女性を眺め、飲んで、おとなしく帰りました。おとなしく帰れない人は、ダンサーの腰あたりについているナンバー札で指名し、席で飲んで、それから屋外デート、となるわけです。日本の相場に比べるとかなりの格安と言います。

バンコクでよく見る男女の類型に、リタイアした60代70代の白人欧米人に現地の20代30代女性、というカップルがいます。たいていはでっぷり太っていますが(本当に、そうなんです)、なかには、ローリンス・ストーンズのキース・リチャードぐらいにやせ細ったベトナム戦争の帰還兵風の男もいます。
女性が店先に待機しているバーに行けば、出会いは簡単です。ただ私は、英語がしゃべれないので近づきません。そもそも、海外では”旅欲“が”性欲“に勝るのです(何を言っているのか、わたしは!)

大和男児はどこでも「スケベ」で通っているようです(先人の旅行者が、そんなふるまいをしたせいなのかは分かりませんが)。
1990年代初頭にハノイの安宿に泊まったことがあります。そこの従業員が、片方の手の人差し指と中指の間で親指を入れて「マッサ、マッサ」と誘ってきました。まだ、社会主義バリバリの頃、ドイモイもそろそろ動き始めたころですが。
「近くにあるのか?」「近いね、日本人みな行くね!」「どれくらい近い?」「すぐそこ、30キロ、バイクで送るよ!」

いやいやいや、見ず知らずの人に、ハノイから30キロ先の場所に連れて行かれて、そこで置いてきぼりでも食らえばおしまいです。グーグルマップどころか、ガイドブックにはハノイの中心部の地図が掲載されているだけの時代です。
にもかかわらずそこに挑める「大和男児」は、はやりすごい! 助平の決死隊です。今風に考えれば危機管理の感覚はゼロですが。

とにかく私は、旅先では品行方正なのです。よって危ない目には合わず、旅を続けることができました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?