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水曜日の深夜に潜む海

たまに、自分の周りだけ急に重力が大きくなる。ずんと。そして、立ち上がることさえできなくなることがある。抗いようのない悲しみも同時に押し寄せてきて、どこからともなく涙が溢れる。

昨日の夜、シャワーを浴びようとして、それが起こった。
その前に恋人と話していたが自分の言いたいことが伝わらずに自分にイライラしてしまい、ソファーで課題をやっていた。課題に使えそうな論文がみつかって、シャワー入りなと呼びに来た恋人に返事をした。恋人は、時間かかるなら先に寝るからね、とベッドに入った。私は、着替えをとろうとしてしゃがみこんで、そしてそこから動けなくなってしまった。

波には抗わず、体を流れに身を任せたほうがいい。
それは波が去ってからいつも思う。
でも波に襲われている間、今はやめて、どっか行って、と必死で溺れてしまう。

一生懸命努力しているつもりだったけれど、一生懸命苦労しているだけなんじゃないか。
どこかで見た誰かの言葉が、痛いほど自分に刺さる。
私が今ここにいること、いちばん大切な家族や友達と離れて、自分で作った大して美味しくもない料理を自分で食べていること。
自分が望んで、自分のために、やっているはずなのに、こんなにむなしくて無意味に感じるのはどうしてなんだろう。
わが人生に一片の悔いなし、と言ったのは誰だったか。
人生は夢だらけ、と言ったのは誰だったか。
わが人生は悔いだらけだ。

別に嫌なことは何もない。
今は、溺れているだけだ。
70か所のアルバイトに応募しても面接すらさせてもらえないのは、私が必要のない人間だからではない。
機会がないだけだ。
大丈夫、大丈夫。



助けてと もがけばもがくほど 溺れてく
海底でまた逢えたらね


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