よく分かる急性胆嚢炎!
急性胆嚢炎とは?
急性胆嚢炎は胆石で胆管が塞がることで起こることがほとんであるが、まれに奇形や捻転、胆嚢の血流障害、膠原病、胃切除に伴う迷走神経切除、胆管空腸吻合、胆嚢と隣接している臓器の炎症が波及して発生することもある。
胆汁の排泄遅延で細菌が増殖したり、胆嚢内に膵液や逆流することで胆嚢炎が起きることもある。胆嚢が何らかの原因で炎症を起こし、腫れて炎症の進行と共に胆嚢の壁が壊死していく。壊死を起こすと腹膜炎に至る可能性があるため緊急手術を行い、胆嚢の摘出と腹腔内の洗浄を行う。腹膜炎は敗血症へと進行する可能性のある病態で早い段階での治療が必要となる。
※胆嚢捻転症とは胆嚢頸部の軸捻転で血流障害を起こし胆嚢壁が壊死を起こす。この場合、急速に病状が悪化するため胆嚢摘出術を早急に行う必要がある。
症状は?
・上腹部の不快感
・鈍痛
・右季肋部痛
・悪心嘔吐
・腹膜炎を併発している場合は
腹部全体の痛み
筋性防御
発熱 などなど…
<重症度>
◎軽症
・軽症は中等症や重症の基準以下の場合。
・保存的治療を行い改善がない場合は手術を
行う。
手術リスクが高い場合は保存的治療を行い
状態が改善したら手術を行う。
◎中等症
・WBCが18000/mm2以上
・72時間以上症状が継続している
・右季肋部痛
・局所炎症所見など
胆嚢ドレナージを初期治療と一緒に行い症
状の改善を図る。
◎重症
・腹膜炎や敗血症の所見や症状が見られる
・胆嚢ドレナージを行い保存的治療を行う。
全身状態の改善が最優先で行われる。
状態が安定したら手術で胆嚢摘出する。
手術を行わなかった場合は、
24時間以内に再度重症度を判断する。
検査は?
・血液検査でWBCやCRPなどの炎症値の上昇
・腹部エコーや腹部CTで胆嚢壁肥厚や胆嚢の
腫大、胆嚢結石などの所見がみられる。
治療は?
原則的に胆嚢摘出を行う前提で治療を行う。
→胆嚢摘出術はLap-Cを参照してください。
・炎症が限局的で強くない場合は
入院し絶食+抗菌薬投与を行う。
・全身状態が不良で手術が行えない場合は
PTGBD(経皮経肝胆嚢ドレナージ)や
PTGBA(経皮経肝胆嚢吸引穿刺)など行う
PTGBD、PTGBAの詳細は別投稿を参照してください。
ここまで見ていただきありがとうございました✨
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