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金曜日の白い薔薇 第二章

言葉に出来ない最高の夢を見る事が出来た嬉しくて嬉しくて、今にでも泣き出しそうな気持ちで精一杯満たされた心…。。
しかしあの日以降は、彼女からの連絡もない。時々LINEもするが、返信もまばら…あまり、飲む気にもならないらしい…
その後も懲りずに何度か本気で気持ちを伝えるが、無論返事は即答でNOだ。。
更に年は2年が過ぎた、氷雨の降る平日彼女とランチをする事になった。
パスタを食べながら、たわいもない話をする。たわいもない話すら緊張を覚える。そう、人を愛する心を思い出させてくれるのが唯一彼女である。

もう、20回は振られたかなぁ、、過去を振り返りながら、決して諦められない人生最後の勝負に終止符を打つかを悩んだ夜も正直あった。

案の定…その気にはなれないと、目も合わせてもらえずその日も振られた。そりゃそうだ彼女は他にはない世界一美しいオンリーワンの白い薔薇。

それから、半年が過ぎた暑すぎる夏のとある日、彼女が久々に飲みに来た。秒で彼女の周りには男の人でいっぱいになる。変わらず人気者で次々とオジ様達に口説かれる。

その状況を横目で見ながら、私は大きな声で遂に言ってしまった。

「俺は彼女の事大好きで20回以上振られた!でも好きな気持ちはずっと変わらない」と。

しばらくすると、彼女は俺の横に来て一言囁いた。

「マスターの気持ちは伝わってるよ、今度飲みに行こうね」と。

この5年間で、初めての彼女からの誘いであった。

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