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031 若年性の病気を患っている夫を退院させたその後のこと ネタキリだったのに今じゃ走ってる

5月上旬に退院させ、半年近く経つ。

退院当時はほぼ寝たきり。ベットから身体を起こすこともできず。座位は保てるものの立ち上がることはできず、移動は車椅子。
出来ないできない……と綴ったが、正しくは《気力が無い》ことから動けなくなってしまったのだ

なぜ《気力が無い》状態になったのか
もちろん、病気のせいもある
…薬の副作用もあるのだろう
…数年間入院生活だったこともあるだろう

「立ち上がれるようになりますよ」
「挑戦しましょう」
「一緒にやってみましょう」
……と、サポーター達はみんな前向きだ。立てるように、歩けるようになってほしいと願っていた妻にとって、とても心強い味方が居て、彼女自身も励まされる。
多種のサポートを受けながら、彼女自身も頑張った。もちろん、当事者である旦那様も。

病院から処方される内服薬も少しずつ減らし、そのことも手伝ってか、退院から半年経った今は、家の中を小走りする時もある。レンタル車椅子はすでに返却済みだ。

「随分とラクになったわ」とは彼女。
ベットから起こす、寝せる、車椅子への移乗等などの介助がなくなったから。

だけど、次なる心配事が…
「まだ鍵を開けるのは覚えてないですよね」と、サポーターも心配して声をかけてくれる
徘徊だ

身体が動くようになると、いろいろと活性化されるようだ
今も常時オムツを使用していて、彼女もオムツを交換している
ある時、うっかり声をかけずに交換しようとしたら
「何すんの」と叱られたという
普段は声も出さず、会話はもちろん意思疎通もままならない夫だから、まず、声が出たことにびっくりした。
気持ち(たぶん……いきなり手をかけられたことで嫌な気持ちになった事)を言葉にしたことに更にびっくり。

こちらは、長年寄り添っている妻だからという気持ちでいるけれど、夫にとっては愛する妻でもなく、いつも居るオバサンなのだと……
やはり悲しい
妻のことも子どもたちのことも忘れたままだ

彼女は言った
「退院させた時は、寝たきりのままどんどん衰えていくんだろうなって思ってた」と。
想定外の回復ぶりを嬉しそうに。
旦那様はまだまだ若い66歳だ


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