塔2024年3月号掲載歌(新樹集・若葉集)
塔2024年3月号(若葉集 岡部史選・新樹集 吉川宏志選)
きさらぎの白い海鳴りやどかりはふたりでおなじ家に住めない
バスロマンをいれないかたいお湯どうか今日のわたしを透明にして
クリームをたっぷり掬ふ 左手をあなたととりかへる夢をみた
笑へないのに笑ふとき皮膚の下をゆっくり泳ぐさかな、ぎんいろ
発芽してみたかったかないくつものわたしが捨てたアボカドの種
わたしではないひとの手をとるひとにドードー鳥の絵文字を送る
内臓のいちばんちかく似たやらなくちびるの色ばかり購ふ
とても嬉しくて、何度も読み返しています。今でも。本当にありがとうございました。
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