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みんな違う。それも大事だよ。


#創作絵本ストーリー


わたしは、運動が苦手。
かけっこはいつも最後。

わたしは生まれた時からちょっとだけ右足がわるくて、右足を少しかばって歩くの。


小学生になってから体育の時間に

『まなちゃん、走り方むずかしそうだね。うまく走れないの?』
って言われるようになったの。

運動会にはかけっこがある。

みんなは、よーいドン!
いきおいよく走れるけど、わたしは、少し出おくれちゃう。

2年生になって運動会の練習の時に、男の子に言われたの。

『おまえ、なんでそんなにおそいの?走れないんなら違うのにかえてもらえばいいじゃん。ぼくたちだって勝ちたいし』
って、言われたの。

わたしはちょっと悲しくなったの。
わたしだって、わざとじゃないのに。
頑張ってるのに。
でも、やっぱり迷惑なのかな?

ある日教室で先生が言ったの。
『みんな、かけ算のくくをおぼえようね。毎日、練習して最後にテストするからね。』って。

男の子の何人かは
『えー、嫌だよ先生。ぼく勉強苦手だもん』
って言ってた。

でもわたしは、ぜんぜん平気!
だって勉強大好き!だから、くくをおぼえるのもへっちゃら!
だから、くくのテストもすぐに合格したの。

でも、最後まで合格できないでいる、まさるくんは、
こまった顔してた。

ある日の放課後、わたしは教室に忘れ物してる事に気づいて教室にもどったの。

だれかいる?
まさるくんだ!
何してるんだろ?

そっと見ると
くくの練習してる!
頑張ってる。

わたしはそのまま帰ろうとしたけど、やっぱり気になって声をかけたの。

『まさるくん、一緒にやってみる?』
すると、
『え?い、いいよ。どうせ勉強できないからバカにされるだけだし』
まさるくんはとてもこまった顔をしてた。

わたしは
『そんなことないよ。一緒にやるとおぼえやすいかもよ』
すると、まさるくんはすなおに聞いてくれた。

わたしは、まさるくんにくくの覚え方を教えてあげたの。
『なんだか、分かってきたよ!』
『明日のテスト頑張ってみるよ、ありがと』
そう言ってまさるくんは帰った。

次の日、くくのテスト。
まさるくんは合格できた!
よかったぁ!

まさるくんがわたしのところにかけよってきた。

『まなちゃん!ありがとう!合格できたよ。今までごめんね、まなちゃんは運動は苦手だけどお勉強ができる、ぼくはお勉強ダメだけど運動ができる。苦手なところも、得意なところもみんなちがうんだね。ごめんね』

すると、近くで聞いてたクラスの子たちが

『わたしは歌うのが苦手、でも泳ぐのは得意』

『ぼくは、おしゃべりが苦手、うまく話せない。でも歌は好き』

するとまさるくんが

『みんな違うんだね、でも、それも大事なことなんだ。得意なところは苦手な子に教えてあげて、苦手なところは得意な子に教えてもらって。上手く動けなかったり話せなかったりしたら、助けてあげる。そうすると、楽しくなるね!』

わたしもまさるくんと同じこと思ってた。

『そうだね!みんな違う!でも、それが大事なこともあるね!』

それからは、みんな苦手や得意なことを教え合ったり助け合ったり楽しくできるようになったの。

みんなダメなとこなんかないね。
大事なことばかりだね!

ね!みんな!


おしまい

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