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2013年西東京大会決勝 実況&感想

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日大三高校対都立日野高校

見どころ


大会三連覇を目指す日大三高校と甲子園初出場まであと1勝となった都立日野高校の一戦。都立日野にとっては都立勢33年ぶりの甲子園出場を狙う。

先発


日大三高ー大場選手
日野高ー池田選手

1回表


まずマウンドに上がったのは都立日野の先発右の池田投手。身長は173センチ70キロと小柄な体格。キレイなフォームでスムーズに投げ込むピッチングフォームだ。先頭の河津がライト前ヒット。バントで送って1アウト2塁でチャンスだったが、セカンドゴロで2アウト3塁。ここで4番の佐々木。先制できるか、池田が抑えられるか。結果はストレートをレフト前に運んで1点を先制。4番佐々木は期待に応えるタイムリーを放つ。さすが日大三校の4番だ。1点で何とか粘りたいところで、ピッチャーの池田は五十嵐をショートフライで打ち取って何とか失点を1点で止めた。1-0

1回裏


マウンドに上がったのは日大三校エースの右の大場投手。167センチ72キロ。相手エースの池田よりも身長は6センチほど低いがどっしりとした体格。ランナーがいなくてもセットポジションで投げ込む。真っすぐは140キロを超える。右の本格派だ。先頭の工藤は高めに浮いたスライダーで空振り三振。2番の志岐はショートゴロ。大場はスライダーの切れが素晴らしい。コントロールもまとまっている。次のバッター池田はセカンドゴロで3アウト。三者凡退。大場は落ち着いてアウトを重ねた。1-0

2回表


この回はテンポよく投げてリズムよく裏の攻撃に繋げたいところだ。ポンポンとリズムよく2アウトまでとって、9番の船山選手。安定してコントロールされていたが、船山はフォアボール。2アウト1塁。1番の河津はキャッチャーフライで3アウト。1-0

2回裏


先頭はライトフライ。大場はスライダーがものすごく良い。コースにズバット決まり申し分ない。腕もきっちり振れていて楽しみだ。豊澤は三振。2アウト。バッターは長田。日野は初ヒットが長田に出た。うまくスライダーを逆らわずにセンター前に。見事だ。2アウト1塁で、三浦。いい当たりだったがセカンドゴロで3アウト。1-0

3回表


稲見から。先頭にフォアボール。森に打席が回る。この森は練習試合で大けがをしたそうだ。見事に復帰した苦労人だ。しかし日野の池田は落ち着いて淡々と投げ込んでいる。森はサードゴロ。1アウト2塁。4番の佐々木は死球で1アウト2,1塁で打席には太田。ここで日大三校は追加点を取っていきたいところだ。一方の日野の池田はしっかりと後続を抑えたいところ。しかし太田がライト前にタイムリー。2-0。日大三にとっては貴重な追加点となる。続く五十嵐もタイムリーで3点目。じわりじわり王者の力が日野高校を飲み込んでいく。続く大場も内野安打で三連打1アウト満塁。池田はここで粘って追加点を許したくない。踏ん張りどころだ。続くバッターはセンターへの犠牲フライ。2塁ランナーが三塁でタッチアウトとなり3アウト。4-0。

3回裏


先頭は秋葉。大場はインコースもうまく使ってストレートとスライダーで打ち取っていく。真っすぐは140キロを超えている。この回は大場がテンポよく投げ込んで3者凡退。試合は日大三高ペースで進んでいく。4-0

4回表


この試合は内外野ともほぼ満員だ。たくさんのお客さんが神宮球場に足を運んでいる。日野の池田は2アウトまではテンポよくアウトを重ねていくが、二番稲見がファーストのエラーを誘い2アウトからランナーが出てしまう。日野のエース池田は強力日大三高の打線にかろうじで飲み込まれることなくよくしのいでいる。バッターは森。浮いた変化球をたたくがライトフライ。3アウト。4-0

4回裏


この回の先頭の2番の志岐はセカンドゴロ。1アウト。3番の池田が打席に。投げては粘りのピッチング。打席でよい結果を出してピッチングにいい感じにつなげていきたい所。だが毎回の4個目の三振。インコースに143キロを投げ込み素晴らしい球を決めた。これで2アウト。バッターは4番の玉井。何とか塁に出て大場を揺さぶっていきたいところだ。しかし3番4番と連続三振。3者凡退。4-0

5回表


池田は先頭の佐々木をスライダーで見逃し三振。素晴らしいコースに決めた。続く太田は真っすぐをたたきセカンドエラーを誘い出塁。続くバッターはセンターフライ。2アウト1塁。両チーム機動力はあまり使わないようだ。大場はショートゴロに倒れ3アウト。4-0

5回裏


豊沢はファーストゴロ。大場はここまで1安打ピッチング。完ぺきな内容だ。続くバッターも真っすぐで空振り三振。フォームにも躍動感が出てきた。乗りに乗って渾身のガッツポーズも出た。結局3者凡退。4-0

6回表


日野高校はよく戦っている。甲子園常連校に対して前半を4失点。まずまずではないか。エース池田も初球変化球が甘く入ることが多くヒヤッとさせるが、コースによくボールをまとめて打たせて取るリズムの良いピッチング。打線がなかなかエースの大場選手を打ち崩せない。5回までで1安打。ランナーを出さなくては追いつけない。ここからどう展開していくのか。バッターは8番湯本。大きなレフトへのフライで1アウト。次もショートゴロ2アウト。リズムよく2アウトまでうち取っていくが、河津がレフト線への2ベース。2アウト2塁で2番稲見はショートゴロ。4-0

6回裏


秋庭からだったが、セカンドゴロ。1アウトで邦山。大場がどんどん勢いがそしてギアが上がってきた。しかしようやく邦山がセンター前ヒット。スタンドが湧いてくる。特に日野高校がヒットで出ると球場の雰囲気がガラッと変わってくる。連打などが出るとこれは面白い展開になってくるのではないか。バッターは1番の左バッターの工藤。一方大場は雰囲気に飲み込まれえないようにしたい。当たりはよかったがレフトライナー。バッターは志岐。つないで池田に回したい。なんとか一点でも取っていきたい。追い上げたいところだったがセカンドゴロで3アウト。

7回表


3番の森はセカンドゴロ。4番の佐々木を132キロの渾身のまっすぐで見逃し三振。素晴らしい球だった。次もセカンドフライで3者凡退。日野高校守備からリズムが出てきた印象だ。このままいい流れで反撃していきたいところだ。

7回裏


池田はライトフライ。4番の玉井も積極的に初球打ちするがサードゴロ。次もライトフライ。反撃のチャンスだったが3者凡退。4-0

8回表


先頭がファーストゴロで1アウト。大場はセンターフライ。池田は本当に粘りのピッチングで抑えていく。決して140キロを超えるスピードボールを持っているわけではないが、130キロ前後の球で抑えていく。三者凡退。これで日野の池田は7,8回と三者凡退。いいリズムになってきた日野高校。4-0

8回裏


先頭はレフトフライ、続くバッターもサードゴロ。大庭が打席に。しかしショートゴロ。3者凡退。4-0

9回表


三年連続の甲子園まであと一イニング。万全を期す為にも追加点が欲しい日大三高。先頭はショートゴロ。1番の河津に打席が回る。日大三高のベンチが映るとみんな笑顔だった。それほどまでに試合展開が笑顔を物語っているのか。4点差、危なげない試合展開。王者。最終回。一刻一刻と日大三高が甲子園への切符を掴む可能性が出てきた。河津は死球。1アウト1塁で2番の稲見。エンドランが決まり1アウト1,3塁。三番の強打者森に回ってくる。日野は何が何でも0点に抑えなければならない。この裏の最後の反撃のためにも。森は大きな大きなセンター犠牲フライ。5-0。
取りたいところで点を奪えるのはやはり強豪校の意地だ。佐々木はセンターフライ。5-0。

9回裏


先頭が出るか出ないかで大きく試合の展開が変わっていくだろう。打順は9番の邦山からだ。期待が高まる中だったが三振。工藤もファーストゴロ。2アウト。あとアウト一つ。日野のアルプスは割れんばかりの声量だ。この場面で大場は100球を超える。最後はファーストゴロで試合終了。5-0で日大三高が都立日野高校を下し甲子園の切符を手にした。

ー試合を終えてー


毎年前評判の高い日大三高が甲子園初出場を目指す都立日野を危なげなく王者の実力を見せつけた戦いぶりだった。まずは日野高校にあっぱれだ。王者を前に怯むことなく戦う姿はかっこよかった。打線は相手のエ―ス大場選手に完全に抑え込まれてしまう展開だったが、日野高校の池田選手は本当に見事なピッチングだった。三高相手に9回5失点完投。身長もあまり高くないし、球速も130キロ前後で本格派とは言えないピッチャーだったが、よく粘り強く投げた印象だ。ストレートもインコースアウトコースを丁寧に投げてスライダーも多少甘く入る球が気にはなったがこの球もアウトコースによく決まっていた。一方三高の大場は全く危なげないピッチング。三振も取れる140キロを超える真っすぐと、スライダーでインコースアウトコースとうまく組み合わせて投げていた。中盤から大場は躍動感も出てきて、渾身のガッツポーズも出るほどに気持ちのこもったピッチングだった。大場のこの試合のピッチングなら全国でも通用するだろう。もっと大味な試合になるかと思っていたがふたを開けると接戦となる本当にいい試合だった。都立はなかなか甲子園には行けないが、あと何年かすれば全国にも届く実力をつけてきっと国立高校や雪谷高校や、城東高校のように羽ばたく時代が来ると思う。さすがの戦いぶりだった日大三高が三年連続で甲子園出場を決めた試合となった。
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