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赤姫

歌舞伎通いは10年以上になっていて
その間にたくさんの役者さんとのお別れがあった。長生きされる方もいらっしゃるが
早世される方も多くて、その都度衝撃が走った…歌舞伎座では1年を通して公演していて
1ヶ月じゃくは、毎日演っているわけで
そりゃ〜酷使してるだろうと思うのだけど
歌舞伎役者さんにとっては本番を重ねることが修行でもあるので、そういう世界としか言いようがない。そして役者さんたちが立つ舞台のまえには観客がいて成り立ってる。
毎日お客さんは変わるので同じことを演っていても日々微調整はあるようだ。

きょうは、けっこう思い入れがあって
ちょっと体調すぐれずだったが…でかけた。
その時しかないタイミングみたいなものの
感が働いたからだ。歌舞伎を見出した頃は
人気役者さんがたくさんいて芸の力も優れていた。だが、いつまでも見ていたいと思っていても永遠ではないことに気がつく。そして芸の継承は並大抵ノコトではない。
世襲のお家で血筋が途絶えると言うことは
代々で教えてもらえる人がいないから厳しいことになる。他のお家に出向いて教えを請うしかない。伝統芸能はほんとうにギリギリのところ有るのが真実とおもう。
ながく通っていると役者、客の立場はうすくなって情がわいてくるものだ。
こんかいは、成駒屋さん親子の生き様を
垣間見に行ったのだが、、想像はしていたが
涙とまらずでしょうがなかった…
なぜ?
親子であっても個性は違うから、親から教えられたとしても個人のクセはでるのではないのか…どこまで稽古をすれば超えられるのか?などと考えてしまう。だがライヴでみると
そんな憶測はうちくだかれる。真摯に役に
立ち向かっていることを生身で感じるから
想像は消え去り、すでにその世界にひたっていた。
あぁ~なんて奢っていたことか!!
雪姫の一途さにただただ圧倒されただけでも
心は清められたというのに。

追善興行
二世中村吉右衛門の偉業を
あらためてたたえたい。









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