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「カラハリが呼んでいる」を読んで➀

ライオンのお話続きで、最近「カラハリが呼んでいる」を読みました。あの「ザリガニの鳴くところ」の著者ディーリア・オーエンズさんが、ずっと若い頃夫婦共作で初めて記した、野生動物のドキュメンタリーです。真っ先にに驚いたことは、著者夫妻の行動力です。彼らは一度決めたら、未知の世界に飛び込むことを全く恐れず動き始めるのです。ちょっと私(達?)には考えられません。日本人ならきっと、現地調査をきっちりして安全を確信して、潤沢な資金を集めてから始めるでしょうから。

アフリカでは野生動物は、大規模な牧場経営や無計画な都市拡張により生息地が奪われ、また家畜を襲う捕食者として人間に殺され、その数は2/3以上が死滅しているといわれています。まだ大学生だった夫妻は、アフリカの肉食動物のどれかについて調査し、その結果をアフリカ生態系の保護計画作成に役立てようと心に決めたのでした。そこで大学を一時休学して資金を稼ぎ、一旦調査地を決め調査が始まってしまえばその後の調査資金はきっと誰かが援助してくれるだろうと考えたのでした。(カラハリが呼んでいるより)そして決して充分でない資金を片道切符として、一路アフリカに向かったのでした。アフリカの一都市から、おんぼろジープに乗ってさらに未開の調査地を求めて出発したのでした。自己資金んが尽きる前に調査報告を学会送り、資金援助を求めなくてはなりません。まさに綱渡りの調査でした。

この本は調査結果を詳しく述べたものではなく、夫妻が出会ったライオン・カッショクハイエナ・ジャッカル・その他小動物と共に暮らした日々のできご事、そして地上最後となりつつある広大な原始のままの自然地帯で、どうやって生きてどうやって調査を行ったかについて語っています。(カラハリが呼んでいるより)

調査を続けていくうちに、野生で生きる過酷さと人間の起こす行動の理不尽さに、きっと著者の心は苛まれたのではないでしょうか?しかしその自然の大地の光景に魅了されたのも間違いないでしょう。お話は淡々と続きました。


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