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2024/3/10 雪国育ちに誇りを持つ

ドキュメント72時間の「札幌 雪道を走る灯油配達車(再放送)」をみる。

不覚にも泣いちゃった。

北海道は(北海道だけでなく雪国は)一軒家だったら庭とか車庫と家との間とかに灯油タンクがあって、それが室内の暖房や給湯に繋がっていたりします。冬になると灯油屋さん(〇〇石油とかそういう会社)が灯油配送ローリー車で灯油を補充しにきてくれる。子供の頃の思い出は母親に「配達来るから道作ってあげて」と言われて灯油タンクまでの道を除雪したり雪の階段つくったりしてた。

その配達員を72時間取材したドキュメント。
配達員さんにも人生があって配達される側にも人生があって。
1番印象に残ったのは配達先の70代の男性。若干怪しげな風貌で“ちょっと変わった人なのかな?”って思ってしまったのだけれど、息子がうつ病に罹ったのちに自殺してしまい数年後に妻も病気で死んでしまったと淡々と語る姿がこの人どれだけの悲しみを背負っているんだろうと涙。
息子さんのこと「優しいやつなんだよ」と語る姿が…
ビックマンのでかいやつを昔は月に4本飲んでた話をしながら「人間って弱いべや…寂しいっていうかさ…」って話す姿が最も印象的だった。
自分を弱いと言える人は、きっと強いよおっさん。

これは暴論かもしれないけれど、北海道で生まれ育つと必ず一度は冬に“死ぬかも…”って思う経験をすると思う。

それは家族が(もしくは自分が)運転中にホワイトアウトに遭遇してしまった時であったり、遊んでたら雪がだんだん吹雪いてきて靴は染み染みで足の感覚ないわ頬もカチカチまつ毛も凍るわ家まで歩いてあと30分あるわで泣きたくなるときだったり。。

そんな冬を生きると自然のパワーを知るというか自然への畏怖が芽生える。何もかもが自分の都合通り行くわけじゃないってこと、自分が自然に都合を合わせるんだってことを学ぶ。
人間が自然の前にどれほど無力なのかということも。

だからこそ困ってるときは助けて合うし、ちょっとやそっとのことじゃあまり動じないかもしれない。このことはこの土地で育った誇りかな。


あとこのドキュメント72時間の撮影時期が1月で、燃料切れを起こして緊急配達を頼む人がたくさんいたんだけど、これはきっと各配達先の愛情のあらわれだったのかなって思う。

正月は普段は日中学校に行ってる子供が冬休みで家にいたり、もしくは進学や就職で家を出た子供たちが帰省してきたり、親戚が集まったり…
きっと普段は節約してるけど、帰ってきてくれた子供たち親戚たちに少しでも暖かい思いをしてほしいって思うから暖房を高めに設定して多めに使っちゃうんだろうな。んでもって早めに灯油切れになっちゃった世帯がたくさんあっただろうな、と。


移住したいとか思ってたけど、やっぱこの土地が好きかもな…


(写真は飲み仲間と冬キャンした時の外気温マイナスの中ストーブで熱燗作って飲んでた笑)

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