「〆切手帳」開発ストーリー① デザイナーさんとの打ち合わせ編
初日は「〆切手帳」のデザインを担当してくださる、山之口さんとの打ち合わせをしました!
山之口さんは、デザイン事務所「OKIKATA」の代表をされています。『リーダーの仮面』など、数々のベストセラー書籍を手がけられた、凄腕のブックデザイナーさん。
「山之口さんなら、間違いなく素敵なデザインにしてくれるはず!」という確信から、「〆切手帳」のデザインをお願いすることになりました。
なんとこの日は、山之口さんが市販の手帳をたくさんご用意してくれました。まずはそれらを細かく研究していきます。
世の中には、こんなにたくさんの手帳があるんだ!と、思わず感心してしまいます。しかも、それぞれの手帳にちゃんと個性がある。大きさ、紙の種類、色、縦書きか横書きか、中身のデザインまで……まるっきり違います。
日頃から当たり前のように使っている手帳だけど、その裏には作り手の人たちのこだわりや工夫があるんだな〜としみじみ。
ただ、そこで1つ気づいたことがありました。
それは「スケジュール管理」と「プロジェクト管理」が同時にできる手帳って、意外とないかも、ということ。
編集者は、いくつかのプロジェクトを同時に進めていることが多いです。だから時間管理だけでなく、同時にプロジェクトの管理もできるのが理想的。
同じページの中で、時間を管理しながら、複数のプロジェクトの進捗を確認できないだろうか?
そんな話から、週間スケジュールのページの下部に、プロジェクト管理ができる「ガントチャート」を入れよう、というアイデアが出ました。
縦軸が30分ごとのスケジュール。横軸がプロジェクトの管理。これなら、複数のプロジェクトを同時に管理できます。
また、せっかくなら予定を書く欄もできるだけ大きいほうがよさそう。
一般的な手帳は1時間の幅が5ミリほど。でもそれだと、30分単位の予定は書きづらい……。そこで、ページの余白をできるだけなくして、1時間の幅を「1センチ」ほどに拡大することにしました。
これなら、細かくスケジュールの管理ができるので、ダラダラと時間を過ごしてしまうこともなくなるはず。
また打ち合わせの中で「どうしても〈マクロの予定〉って見えなくなりますよね」という話になりました。
日々の仕事に追われていると、ついつい目の前の予定のことで頭がいっぱいになってしまいます。すると、年単位で進めている大きなプロジェクトの管理が、なおざりになってしまう。「まだ先のことだから」と放置しているうちに、気づけば〆切間近になっている……。
これは編集者&デザイナーあるある、の悩み。
それなら〈ミクロ〉の週間スケジュールと〈マクロ〉の年間スケジュールを、同じ視野に納められたらいいんじゃないか?
1年間の予定を見ながら、1週間の スケジュールを立てていく。そうすれば、計画的にプロジェクトが進められて、気づけば〆切が守れるようになるはず。
こんなアイデアから、手帳本体とは別に、〈マクロ〉の年間スケジュールを作ることに。その代わり「月間カレンダー」は省くことになりました。
中身のデザインを考えるうえで悩ましかったのは「どのくらいの自由度にするか」という問題。
予定を書く欄は、すべて方眼にしたほうがいいのか、メモ欄を作ったほうがいいのか……など、いろいろ考えるポイントがありました。
ただ、それでは使い手にとっての「自由度」が下がってしまいそう。かといって自由にしすぎると、コンセプトがあいまいになるし、使いにくくもなってしまう。
使いやすさは担保しつつも、カスタマイズできる余白を残す。そんな絶妙なバランスに仕上げたい……。
打ち合わせの最後にそんな(無茶振りな)要望をすると、「やってみましょう」と山之口さん。
こうしてデザインの大まかな方向性が決まり、山之口さんに本格的にデザインを始めてもらうことに。
1冊の手帳を作るだけでも、考えるべきことは本当にたくさん。大変だけど、理想的な手帳を作るため、妥協せずに進めなければ!と気合いの入る1日でした。
次は「紙選び」をやっていきます!ぜひ次回も読んでみてくださいね。
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