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〆切手帳開発ストーリー④サンプル(束見本)が届いたよ〜!編
この日は1回目のサンプル(束見本)がお披露目です!
それぞれ、紙や製本方法が異なる、3種類の束見本。こちらを触りながら、デザイナーの山之口さん、藤原印刷さんと一緒に、手帳の仕様を決めていきます。
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〆切手帳で大切にしたいことのひとつが「開きやすさ」です。
手帳にはやっぱり、びっしりスケジュールを書き込みたい。開きにくかったり、中心部が書きこみにくかったりするのはイヤですよね。
ということで「開きやすいか?」を基準に、束見本をチェックしていきました。
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開きやすかったのは「広開本(こうかいぼん)」と「PUR」という製本方法。
広開本は、背表紙と本文がくっつかない製本方法。名前のとおりとてもよく開きます。PURは「PUR糊」という特殊な糊を使うことで、開きやすさが通常よりアップする製本方法です。
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「広開本にもPURにも、それぞれ特性があるんです」と藤原印刷さん。
広開本は、かなり開きやすい反面、スピン(しおり)を付けることができません。正確には付けることもできるのですが、その場合は本の「外側」にスピンを貼りつける形になってしまう。これは見栄え的にちょっと気になりました。
PURは、本を開くたびに背表紙も曲がるので、長く使うとそこにシワができてしまう懸念がありました。ただ、議論した結果「手帳は本棚に並べるというより、持ち運ぶものだから、背表紙がシワになってもそこまで問題ないのではないか」ということに。
製本方法は「PUR製本」を採用することにしました!
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次は「本文用紙」です。
「書き心地はどうか?」「触り心地はどうか?」「裏写りしないか?」など、いろんな観点から検討していきます。
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最終的に選んだのは「ソリストホワイト」という紙です。
しっかりと厚みがあり、少しクラフト感もある紙。実はこの紙、手帳用のうすい紙ではなく、書籍(特に学習用ドリルなど、書き込みをするタイプの書籍)によく使われる紙なんです。
決め手は、いろんなボールペンで試し書きをしてみて、いちばん書き心地と触り心地がよかったこと。すこしペンの沈む感じが、しっかり考えたスケジュールを書きこむのにピッタリだと思いました。
いろいろな太さのペンで試し書きしましたが、裏写りもそこまで気になりませんでした!
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残るは「表紙」と「スピン」の選定です。
表紙は1回目の打ち合わせから惹かれていた「バージ」というクラフト紙を使うことに決めました。厚すぎずしなやかで、水を吸いにくい。コーティングをしなくても、紙そのものに水を吸いにくい加工がほどこしてあるんです。
さらに食品衛生基準をクリアしていて、ドーナツなどの食べものを直接包むこともできる紙とのこと。
バージをご紹介いただいた平和紙業の西谷さんから「紙界最強だと思いますよ」と称された逸材です。
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実際に触ってみると、サラサラとした感触で手なじみもいい。この日いちばんスムーズに決まった仕様だったかもしれません。
最後に「スピン」の色を決めます。
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何十種類もあるなかから、たった1色を決めるのは苦渋の選択でした。。。
しかも悩ましいことに、山之口さんがデザインしてくださったロゴがかわいすぎて、どの色にしてもめちゃくちゃ似合いそうなんです!!!
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白のスピンにすると、上品な感じを楽しめそう。シンプルに黒もいいのではないか。
「〆切(デッドライン)」を連想するような赤もいい。はたまた落ちついた感じの紺も合いそう。
……結局、次回までに9色のサンプルを作っていただくことにしました。
細かい仕様でまだ決まっていないところはあるものの、この日の打ちあわせで大きな方向性を固めることができました。
サンプルとはいえ、実物を見るとやはりうれしいですね。いいもの、できそうな予感……!
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