見出し画像

〆切手帳開発ストーリー③印刷会社さんとの打ち合わせ編

この日は印刷をお願いする藤原印刷さんと、初めての打ち合わせです!

製本方法や紙について、いろいろと教えていただきます。

藤原印刷さんは、長野県の松本に本社を置く印刷会社さん。1955年の創業以来、たくさんの出版印刷や商業印刷を手がけてこられました。一冊一冊ていねいに本づくりをされていて、製本方法や印刷方法にもこだわっていただけることで評判の会社です。

印刷物を冊子の形に仕上げる「製本」。実はいろいろな方法があります。

・針金を使って綴じる(とじる)、中綴じや平綴じ。
・ミシンと接着剤で綴じる、糸かがり綴じ。
・針金やミシンは使わずに接着剤だけで綴じる、あじろ綴じやPUR綴じ。
・本に穴を開けてリングで綴じる、リング綴じ。

……などなど。

説明を伺いながら「ああ、中綴じって雑誌でよく見かけるやつか」「折り返し地点にミシンが見えていた本は、中ミシン綴じっていうんだ」など、これまで何気なく読んでいた本や雑誌を思い返していました。

綴じ方によって、適したページ数や強度、開きやすさ、コストなどは異なります。

今回の手帳で大切にしたかったのは「書きやすさ」と「開きやすさ」。多少コストがかかっても、とにかく使い心地のいいものにしたい。

藤原印刷さんに持ってきていただいたサンプルの手帳を触りながら、いろんな綴じ方を検討しました。

「この綴じ方だとちょっと開きにくいかも」「リング綴じは開きやすいけど、書くときにリングが邪魔になることもあるよね」……などなど。

ベストな製本方法は、表紙や本文のデザインによっても変わってきます。

前回の打ち合わせで、表紙は3種類ほどの候補にしぼりました。「ある程度の厚みはあるけど、ボールペンを挟めるぐらいのしなやかさがある紙がいいよね」という話に。

あまりに厚くて硬すぎると、ボールペンを挟んだときに表紙を閉じることができなくなってしまう。それだと使い心地が悪くなってしまいます。

表紙にゴムバンドをつけることも検討したのですが、つけないことに。

「手帳は1日に何回も開くものだから、そのたびにゴムをとめたり外したりするのは面倒くさい。ないほうが使い心地がいい気がするね」という話になりました。

それに今回の手帳は「カバーを付けても付けなくても素敵」なものを目指したい。ゴムバンドを付けると、カバーを付けにくくなってしまいます。こういったことを考慮した結果、ゴムバンドは付けないことにしました。

…と、ここまで製本についていろいろと教えていただいたものの「実物を作ってみて気づくことも多いですよ」と藤原さん。

「それはそうだな」ということで、これまでの打ち合わせで出た候補の紙や綴じ方をもとに、いくつかのサンプルを作っていただくことに。ちなみに印刷の業界では、中面の印刷がない状態のサンプル本のことを「束見本(つかみほん)」と呼びます。

次回はデザイナーの山之口さん、藤原印刷さんを交えた3者で、束見本を見ながら仕様を決めていきます!

ぜひ次回も読んでみてくださいね。

                 ***

完成した手帳は、現在BASEにて予約受付中です!
よろしければ下記リンクから覗いてみてくださいね。









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?