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【詩】うそつきなミミズ

にちようよるのなんぼくせん
わたくしはこのざわめきをしつている
でんしやのなかはめだまだらけだ
くろいひとみはあかぐろいくちびるをあけて
にんげんのからだをたもつているだけのわたくしに
ささやく
(うしろぐらい)
(ぐぐぐらいことは)
(とうにあばかれて)
(あばかれてい)
(いる)
ことりのようにすはだをついばむ
じあいにみちたぶえんりよなまなざし
まぶたをとじないふたつめだまが
しやぼんだまのようにふゆうして
(からだなんか)
(いらない)
(しかくとあじわい)
(ほしいのはそれだけ)
あかいにくのべろをのぞかせるげひんなめだま
わたくしのまえにじんどつて
くちぐちにどなりごえで
ささやきかけてくるのだ
(うううそつき)
(うそつきは)
(まぶたのとばりを)
(とばりを)
(おろせ)
ぱちんとはじけてにげてゆくせいぎ
めだまがひとつはぜるたび
でんきゆうがひとつふたつときえて
もうなにもみえやしない
でんしやはおおきくいきをすつてから
にびいろのからだをうねらせて
ちかふかくにもぐりこんでゆく






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