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横溝正史『白蝋仮面』を読んで※ネタバレ注意

こんばんは。横溝ジュブナイル、今回は『白蝋仮面』の感想などを投稿します。ネタバレを盛大に含みますので、ご注意ください。また、本編のほかに『バラの怪盗』『蛍の光事件』という二つの短編も載っているので、そちらについても少し触れたいと思います。

『白蝋仮面』というのは、変装の名人で、宝石などを狙う怪盗です。若い男にもおじいさんにも、簡単に変装で化けてしまいます。ほかの作品の「まぼろしの怪人」と設定がよく似ています。また、白蝋仮面は宝石などを盗むことをおもな目的としていますが、目的の邪魔になる人は殺害しても構わないと考えています。

今回の話には、ほかのジュブナイル作品と同じように、御子柴くん、三津木さん、等々力警部が登場します。また、サーカスのピエロや、動物たちの脱走、抜け穴、身代わりの人形など、ほかのジュブナイル作品でよく出てくるものが、今回も登場します。

無理なく話が進展していくため、読みやすいと感じました。腑に落ちない点もそんなにありませんでしたが、強いて言うのであれば、白蝋仮面は部下を殺害する必要はなかったのではないか?と思いました。部下一人が捕まったとしても、白蝋仮面なら悪事を続けられたと思います。

最後は「白蝋仮面は本当に死んだのか…?」と曖昧に終わりますが、白蝋仮面は死んでいないはずです。というのも『青髪鬼』というジュブナイル作品に、白蝋仮面が登場しているからです。ゲスト出演でしょうか?(笑)また、「人間金庫」のオチは全く想像していませんでしたが、『大迷宮』という作品で似たような設定があります。

『バラの怪盗』は、探偵小説好きの少女が、機転を利かせて自らを危険から救う話です。『蛍の光事件』は、医学生の宇佐美(『片耳の男』という別の短編にも登場する)が、謎を解いてある兄妹を助ける話です。どちらもサクッと読めます。短編もいいですね。

ぜひお読みください。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

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