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相互性の愛で"満たされた"飛行船——夢追翔ファンミーティング『ゆめおの夢まつり』の感想に寄せて

2024年3月3日。 空気が春の色に入れ替わりつつある季節の、抜けるような青空の下。繁華街や動物園・博物館や公園など人通りの多い栄えた地区からは少し外れた、住宅街に近い細い道路沿いにある飛行船シアターにて、夢追翔さんの初のファンミーティングが開催されました。 にじさんじという事務所に所属するタレントのうち、個人のファンクラブを開設されている方は増えてきましたが、ファンミーティングとして単独のイベントを開催されたのは2023年9月に行われた椎名唯華さんに続いて彼が二人目となり

    • 自分だけの色を探す旅路——にじフェス2023前夜祭の夢追翔さんのステージに寄せて

      2023年12月23日、24日。大盛況で終わったにじさんじフェス2023(以下:にじフェス2023)。 その盛り上がりを間違いなく後押ししたのは、最高の仕上がりで観客を魅了したにじさんじフェス2023前夜祭(以下:前夜祭)だという事実は個人の主観抜きで断言してよいと思っています。 この前夜祭という、にじさんじという事務所、ひいてはANY COLLARという会社の一大イベントの先頭に立つトップバッターに抜擢された四ユニットのうち、メジャーデビューから数々のタイアップもこなしてき

      • 箱庭を覗いた、あるいは覗かさせられた先で見えた景色――VSSW夢追翔1st Album『絵空事に生きる』に寄せて

         嘘やでたらめは、すべて罪だろうか。  現実にはあり得ないことを、そこにあるように語ることは過ちだろうか。  現実にはなれない姿であろうとすることは、指を差して笑われるようなものなのだろうか。  決してそんなことはないと思わせてくれるのは、いつだって夢を抱き続ける人間の背中だ。  2023/6/28。  バーチャルシンガーソングライター(以下VSSW)夢追翔さんが、デビューから数えて五回目の誕生日を迎えられました。  先日、彼の紡ぐ音楽について自分が感じていることを纏めた(

        • 生にしがみついた捻くれ者が歌う、世界、人類へのラブソング――VSSW夢追翔2nd Album『拝啓、匣庭の中より』に寄せて

           2019年夏。  『人より上手に』を聴いて、歌詞を読んだ時のことを今もまだ鮮明に覚えている——とは全く言わないんですが、この曲で受けた衝撃だけは漠然と覚えています。  先日(2023年5月17日)、バーチャルシンガーソングライター(以下VSSW)”夢追翔”さんの初めての物理媒体にあたる楽譜が発売されました。紙面で彼の曲についてあれこれ眺めるのは新鮮で、なんとなくの喜びもありました。なにかあっても存在ごと消えてしまうことのない媒体が手元にある、という安心感でしょうか。ひとり

        相互性の愛で"満たされた"飛行船——夢追翔ファンミーティング『ゆめおの夢まつり』の感想に寄せて

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