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20240606 村上隆展へ

今日のランチは
三条木屋町のラーメン屋へ

京都の古い世代の人間はここで細麺の博多ラーメンを初めて食うたわっちゅう人も多いと思う

だいぶ前からあるお店
十年振りぐらいに食うたけど旨かった



三条大橋のたもと
土下座像

京阪沿線の子と待ち合わせするならココ

昔の待ち合わせの定番スポットやった
『待ち合わせ』ってのももう死語なんやろな



さて今回はこれを観に京都に来ましてん
『村上隆 もののけ 京都』

ロサンゼルス現代美術館やらベルサイユ宮殿でも個展をやらはる超一流の芸術家で、今や日本が誇る世界最先端のアーティストの国内8年振りの大規模個展でございます

そんなん観なしゃあないがな

『館内全作品写真撮影OK』ゆうのも凄い
そこひとつ取っても型破りやんね

まさに現代アートの傑物


村上隆の作品は自身の『工房』で産み出される

2700坪の物流倉庫を改造したアトリエで
150人以上のスタッフで
四交代24時間体制の分業制で産み出される


それを知った時に俺が思い浮かべたのは
『アンディ・ウォーホルのファクトリー』だ

ポップアートのムーブメントを牽引したアンディ・ウォーホルも多数のアシスタントを抱え、シルクスクリーンによる作品を量産したし

宮廷画家よろしく著名人のポートレートを量産し経営の為の作品受注や制作にも重きを置いた

そのため『画家たるものはこうあるべきだ』というような旧時代的な批判に常に晒されていた

なるほどゴッホやピカソとは対極である

『大量生産』や『商業主義』は孤高・オリジナルを美徳とする芸術の分野では嫌われるだろう


だがしかし
歴史をひもとけば

レオナルド・ダ・ヴィンチもロダンも工房を持ち弟子にガンガン仕事させて分業していたし

ルーベンスやレンブラントもそうだし

日本でも浮世絵はそもそも絵師・彫師・摺師の分業制だし狩野派とかもそうだ

実際、現代に狩野派のような職能集団を作るというのが村上隆の目指すところであるらしい

つまるところ芸術も多様性の時代なのだ


1人で描く奈良美智が好きか
チームで描く村上隆が好きか

それは『塩ラーメンが好きか味噌ラーメンが好きか』という問いと同じなのかもしれない



とりあえず今日は味噌ラーメンを食べに来たので村上隆を楽しもうと思う


何となく彼の作品を見たことがある人は『マイ・ロンサム・カウボーイ』等の作品によってオタク的なアニメ的なポップカルチャー的なイメージを持っているかもしれない

だが村上隆は東京藝術大学の日本画科で初めて博士号を取得した日本随一の『日本画の匠』だ


一見マンガみたいなポップなお花が笑ってるような絵にも日本画の元ネタがあり、様々な日本画の要素や技術を踏襲していたりする


岩佐又兵衛・俵屋宗達・尾形光琳・曾我蕭白
その他、元ネタの枚挙に暇がない


今回の展覧会の作品群は『膨大な知見に裏打ちされた非常に高レベルな日本画のパロディ展』であるとも言える


様々な元ネタを散りばめコラージュしながら
その中から新しいオンリーワンを構築してゆく様はタランティーノの映画のようでもある

ちなみにこちらの元ネタは
彭城百川の『天台岳中石橋図』という絵


今回特に目を奪われたのがこの絵

曾我蕭白の雲竜図をモチーフにした作品
幅18mの大作

特にズームも何もしていない
ただ右からと左からと一枚ずつ撮っただけだが、鼻の大きさに注目してもらうとまるで違う絵のように見えるのが分かると思う


雲竜赤変図
《辻惟雄先生に「あなた、たまには自分で描いたらどうなの?」と嫌味を言われて腹が立って自分で描いたバージョン》

タイトルも面白い


個人的に言わせてもらうとオリジナルの曾我蕭白の雲竜図の上を行っていると思う

赤で描かれているのも意味がある
葛飾北斎が病封じの赤色で描いた『鍾馗図』からインスピレーションを受けているとの事



尾形光琳の団扇図を題材にした作品

よく見ると

黒地にドクロが埋め込まれている


展覧会の目玉
岩佐又兵衛の国宝・洛中洛外図

金色の雲の中にも無数のドクロが


ただこの作品はいかにも『客寄せの目玉』だ

国宝の大作をトレースした話題性がメインで
悪いが雲竜図ほどの迫力は無い

『文化祭の課題をクラス全員で作りました』
という感は拭えないし

『ここ!』という引き込まれる細部が無い

まあこれを作り上げられるクラスを成立させてる時点でそもそも凄いとは思うが

美術館の庭園の池に設置された
『お花の親子』

高さ10m
ルイ・ヴィトンとのコラボ作品
モノグラムのトランクの上に立っている

村上隆レベルになってくると作品が美術館の建物の中だけでは収まらない訳ですよ

なんとも作家の本領発揮という感がある
派手で見映えのする作品である

真面目に書くと

作家本人が自身をアイコンであり道化であると自覚し、演技演出している様はサルバドール・ダリの再来のようだ

とかなんとか
いくらでも講釈は垂れられるけど

まあ単純に
『おもろいおっちゃんがメチャクチャ型破りな絵描いてておもろいし観に行ってみ』
とまとめたい、そんな展覧会でした

グッズに混じって絵画やフィギュアの作品も
普通に販売されていた

お値段は50万円~って感じ
絵画は数百万円

さすがアンディ・ウォーホルの再来

もちろん俺は買えなかったけど今後これだけ大きな個展がいつあるか分からんし、世界的なネームバリューのある作家なので一枚買っておけば将来的に普通に値上がりはしそう

資産として買っとくのは全然アリと思う

知らんけど



美術館を出て祇園をうろちょろ



京都人の心を鷲掴みにするパンチライン

そんなんゆわれたら
食べやなしゃーないやんかいさ


昔ながらの力餅食堂

店構え(つらがまえ)がグッと来る

あげカレー丼
ネギと油あげの入ったカレー丼

京都人がカレーの二日目に作るヤツ


山椒かけたかったけど
卓上に無かったんで断念

これが鰻丼やら親子丼やったら
『山椒くださいー』って堂々とゆえるけど
カレーやとちょっと遠慮してまう




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