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音楽鑑賞の時間➀「子どもにとって身近な音楽鑑賞とは?」

1.子どもにとって身近な音楽鑑賞とは

みなさんは、子供たちに「好きな曲はなに?」と尋ねたことはありますか? 私が子供たちに尋ねたところ、アニメ・ドラマの主題歌、TikTokの流行曲、ボカロ、K-pop、親が好きな曲など、子供たちの好きな曲は多種多様なことがわかりました。好きな曲をノートにまとめて、友達どうして見せ合っている子どもの姿を目撃したこともあります。それは私にとって、音楽鑑賞は子どもたちにとって身近で楽しいことなんだと感じた瞬間でした。

八木正一先生は著書のなかで、鑑賞について次のように述べています。

学校外での子供たちの音楽活動の中心は鑑賞である。しかもポップスを中心とした音楽にほぼ限定されている。こうした現象は、学校の音楽の授業とどのように関係しているのだろうか。子どもたちがポップスを積極的に鑑賞するために、音楽科教育は何か役割をはたしてきたのだろうか。

音楽科 授業づくりの探求(1995) 八木正一 著 p155より引用

「子どもたちがポップスを積極的に鑑賞するために、音楽科教育は何か役割をはたしてきたのだろうか。」

この文をどう解釈するかが、これからの音楽科教育を考えていく上で、非常に重要なのだと思います。現段階での私なりの考えを述べていきたいと思います。

2.子どもたちがポップスを積極的に鑑賞するとは

子供たちは日常的に音楽を聴いています。朝起きてニュースを見ていると、番組のオープニング曲が流れます。テレビCMでは繰り返しキャッチーな音楽が放送されています。家族とレストランに行けば、BGMとして音楽が使用されています。好きなアニメ・ドラマを見ていると、主題歌・劇中歌が耳につきます。他には、YouTube・各種SNSなど音楽が流れる媒体は山ほどあります。

このように音楽を日常的に聴いている子供たちですが、これは積極的な音楽鑑賞ではないのだと思います。なぜならば、子どもたちが自ら進んで聴く音楽を選んでいるわけではないからです。積極的な音楽鑑賞とは、子どもが自分で聴く音楽を選ぶという行為であると考えています。

ただ、子どもが自分で聴く音楽を選んでさえいれば良いということでもないと思います。その音楽のどこに良さを感じるのか。聴いている私の心情は聴く前と比べてどう変わるのか。このように音楽の価値を自分なりに見出していくことが、積極的な音楽鑑賞なのではないでしょうか。

また、積極的に音楽鑑賞ができている人とはどのような人なのでしょうか?

・好きなアーティストがいて、新曲がでるたびにチェックする人
・YouTubeのコメント欄に曲の感想を書く人
・好きな曲について、他者と語り合うことができる人
・悲しいときに、元気になれる曲を聴くなど自分のために曲を選べる人
・友達とドライブにいくときに、メンバーの趣向に合わせて選曲できる人
・音楽番組を楽しめる人

上記のようなことを考えていくことも必要なのだと思います。

現時点では、ポップスを積極的に聴くとは
➀数えきれないほど楽曲があるなかで、自分で聴く音楽を選ぶこと
②音楽の価値を自分なりに見出すこと

このように整理しています。

3.次回の記事では

積極的に音楽鑑賞をできている人ってどんな人?
このことについて考えていきたいと思います。


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