見出し画像

歯間ブラシのススメ

2022 9/26(月)
 
昔は歯の隙間など気にならなかったものだが、今年45歳になる俺は、最近では、歯間ブラシなるものを利用している。
家にいる時は、食後には必ずこれをやる習慣がついている。
食事が終わったら、洗面台へ行き、まずは口をゆすぎグチュグチュペー。
そして次に、歯ブラシにチューブ式歯磨き粉をつけて歯磨きを行う。
終わったらグチュグチュペー。
いよいよ、ここから儀式の準備をする。
儀式とは歯間ブラシで、隙間ゴシゴシのことである。
俺が使っているのは細めのタイプだ。当初、太めタイプを買って失敗したのだ。歯の隙間は個人差があるので、俺は太めだと隙間ゴシゴシがスムーズにいかず、歯茎から出血してしまったこともあった。
一体、自分の歯の隙間がどれ位なのか、そんなこと人生で一度も考えたことがない。歯間ブラシに出会わなければ一生気にもしない所だった。
虫歯予防にと、ある日、たまたま薬局で手に取ったのが太めタイプだった。
あっているのか否か、こればかりは実践してみなければ分からない。
健康診断で、個人の歯の隙間が細めタイプなのか太めタイプなのかを測ってくれたらいいかもしれないが、まずは歯間ブラシをこれから始めようとしている、そこの君たち、最初はサイズを間違えて出血したりするかもしれないが、大いに失敗したまえ。
さて、いよいよ儀式を始めよう。
上下の歯、どこからでもいいので、歯間ブラシをゆっくり入れてみる。
出来れば、同じ歯を重複しないように、スタート地点の歯を自分なりに決めておくとよい。
歯間ブラシを入れた途端、吸い込まれるように入って行く。
非常に気持ちがいい。
あっという間に、反対側にブラシの先端が出てくる。
これを左右に軽く動かす。決して、回転させてはいけない。
クルクルさせると汚れが取れそうな気がするが、歯茎を傷つけてしまう。
君たち覚えておきたまえ。クルクルは御法度である。
歯間ブラシを左右に軽く動かし始めると、すぐに嬉しいことが起きる。
たった今、歯を磨いたにもかかわらず、食べかすが出てくる。
歯ブラシでは届かなかった汚れが目に見えて分かる。
だが、ここで慌てて口をゆすいではいけない。
いいかね、君たち、口内が気になるかもしれないが、歯間ブラシの出し入れが可能な上下の歯をすべて終えてから、水、または、ぬるま湯でグチュグチュペーをするのだ。
するとどうだろう、洗面台には感動する位の食べかすが落ち、一気に下水へと流れて行く。
自分の歯はここまで汚れていたのか。歯間ブラシを使わなかったら・・・と考えるとゾッとする。
そして、使い終わった後、口内を幸せが包み込む。
ああ、私の歯は実に美しい。
だが、まだ終わってない。君たち、この儀式には、仕上げが残っている。
ここで、薬用デンタルリンス・クリニカの出番である。
虫歯予防に最適なこの液体クリニカを、付属されているプラスチックのコップに入れ、20秒間、口をゆすぐ。
すると、ゆすいでいる間に、新たな食べかすを口内に感じる。
将来、自分を虫歯にさせやがる悪いチームの残党どもが、液体クリニカに追い詰められてアジトから出てくる。
絶対に見つからないと思っていた食べかすの残党たちは、グチュグチュペーにより一気に下水に流されて行く。
正義は勝つ。こうして、歯の隙間には食べる前の平和が戻って来る。
どうだい、気持ちよさそうだろう。
俺は、45歳になるまでこの快感を知らずに生きてきた。
完全に、歯間ブラシ童貞だった。
歯間ブラシと液体クリニカ。
今や、なくてはならない必需品であり、この快感は嗜好品でもある。
俺はこの先、もっとテクニックを身につけて、将来は、名うての
「歯間ブラシ使い」になっているかもしれない。
さぁ君たち、今すぐ歯間ブラシを始めよう。大人になろう。
 
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?