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和牛繁殖の難しさ

コンサルティングとか言うのはおこがましいので経営診断を希望された牧場様のみやっています。
特に農家さんと接していて感じるのは借金を返済(完済)するのが目標と言われる方が多いです。
それはそれで立派な目標なのかも知れませんがそもそも借金を返すのが目標であれば借りなければ良いのです。目標達成です。

違いますよね。

本来の目標は何なのかという事を思い返して欲しいとボクは思っています。ただ牛を飼いたいだけならばその辺の木に一頭繋いで飼えば良いだけです。
御自身がどうして事業として取り組まれたのか初心に帰って考えて欲しいなと思います。
ボクなんてさらさら返す気などありません。事業をするにはお金が必要ですしお金はそれを使って事業を大きくするものです。

面白いものでこれは和牛繁殖農家さんが陥りやすい現象で肥育農家さんや酪農家さんではあまり見られません。ボクは和牛繁殖が規模拡大が進まないのはここに一点原因があるかなと思います。
だだ、これには関係機関にも苦言を呈したいところでして新規就農者の計画書を見ても返す一辺倒の計画書が多いです。計画書が返す前提ではまともな事業が育つはずがありません。
1度返さない計画書を作られてみては如何でしょうか?かなりの経営が上手くいくのではないかなとボクは思います。

今の畜産経営は多額の資金を必要とします。この部分の知識も必要ですし返済一辺倒の計画書から離れる事が出来れば無理やり通す為に変な計画書を作る事もなくなって経営者はそれぞれの経営に集中出来ると思いますよ。この点はよく考えて頂きたいと思っています。

さて、ここからが本題ですが皆さんご存知の通り和牛の妊娠期間は概ね285日です。産まれておよそ9ヶ月(270日)で出荷されます。

たすと555日です。勢いがありそうですがとても長い期間を要します。

今月授精して受胎した場合の子牛販売は再来年R7年の2月です。

という事は皆さんの来年R6年の売上げはほぼ確定していまして予測も出来ます。
今やってる、これからやる仕事はR7年の取り組みです。

とても恐ろしい事でこんな社会情勢がコロコロ変わる時代に来年の売上げに関する事で手を打てる事が殆んど無いのです。我々は常に555日先の為に何かをやっているのです。

ボクも銀行とかで来期は黒字間違い無いですね、頑張りますとか言ってますがそれは頑張りが数字に反映できるからこそ頑張れるのです。

ここが和牛繁殖経営の難しさがあります。

続きはまた今度。


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