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ゲノム

ゲノムは高いのでやりません。育種価は安いので遠くてもそちらに行きます。という声が聞こえて来るようなスペースでなかなか核心を突いていた。

我々のような仕事をしていると次々と牛の周りにいる方々から様々な話が聞こえて来る。

ボクはしかしまあ色んな事を考えるものだなと感心しているが少し不安に思う事もある。

一体牛飼いさんからいくら貰おうとしているのですか?である。

飼料会社や機械メーカーは増収増益だそうだ。まあ商売なんだからそれは当然だろう。しかしお客さんである農家、畜産業は減収減益が著しい。
お客さんが居なくなったら商売替えでもするつもりなのかは分からないがそれは何れ自分の首を締める事に繋がるのでは無いだろうか。ボクは配合飼料の価格を全農1社が決める事が正しいとは思えない。
赤字になったら良いとも思わないがお互いに食い合うような商売ではなくもっと違う形を目指した方が良いんじゃないかなと思う。

ゲノムについてボクは和牛の方しか分からないが酪農家さんの四変なっても12000リットル搾れる方やって言葉に深く頷いた。その通りで我々生産者はどうやって最大限の売上と利益を上げるかにフルベットしていく方が正しい。

現在、和牛でゲノムを調べる農家さんは稀であると思う。
個人的意見としては生産農家でゲノムを調べる事に意味は殆ど無い。繁殖性等の項目が出来たら考えは変わるかも知れないがそこで有意差が出るような実感は繁殖農家は感じていないんじゃないかと思う。

現在の母牛群は平均的なレベルが上がっていてBMSゲノムが0でも普通に12番が出る位になっていると思う。2年前はそれが1だった。

こうなるともう赤身思考でサシが入らないように異常にゲノムの低い和牛を探す為にしか使いようが無くなって来るのである。若しくは種雄牛造成の為には有効だ。

ゲノムの半分は育種価で出来ている。だから当然変動し続ける。鹿児島はゲノムは調べ無いのだがそれには一理あって育種価の正確性が高ければゲノムを調べる必要はあまり無いとボクも思う。あれだけの頭数で優秀な母牛群がゲノムを調べたら現在のゲノム情報を大きく塗り替える位の事になるであろうと簡単に予測がつく。ゲノムも全ては母集団を基準に正確度が違って来る事だ。全国全ての牛を調べてみる手もあるがそれをして一体何を得るのかという事だ。意味が無い事にこれ以上農家さんからお金を頂く事はボクは正しい事だとは思えない。

ボクも授精師や管理システムを作る牛飼いさんの周りにいる人間だ。牛も長年飼っている。牛の周りにいる人間も牛のお陰でメシが食えている。
周りにいる人間達に問いたいのはあなた方の商品や技術で農家さんはどのように利益を上げる事が出来て生産性を上げる事に寄与出来ていますか?そしてそれを農家さんへ具体的に説明出来、その通りの実績を上げられていますかという事だ。

かなり厳しい事を言っている認識はあります。これについて議論する気もないのですが牛飼いさん達はかなり危機的な状況にありますので周りにいる方々も本気で考えて頂きたいとボクは思います。

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