超短編小説 そこの神社
ビルの中に埋もれるようにその神社はあった。参拝する人は少ない。
私は通るたびに祈りに行く。手水で手を清め、二礼二拍し賽銭箱に小銭を入れ願いをして一礼をするが、ここでの正しい参拝の仕方なのかは知らない。
物凄く長く祈っている人が結構いる。いつ終わるのかわからないほどだ。
極彩色の着物で白い鉢巻をし金の細い棒を持って祈りに来ている人もいる。
お賽銭を入れないで祈る若い女性、大量の1円玉を賽銭箱に入れてるサラリーマンもいる。
私の願いは世界が平和になりますように。
誰の願いも叶えられず、突然の工事で神社が消えた。
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