小説 となりのひきこもり5
アポなしピンポンは何度鳴ったかもうわからない。マスコミなんだろうけどトラウマ級の凄さだ。戸を開けたが最後、テレビに映ってしまうのかもしれない。それだけは避けたい。
悪いことはしていないが出たくない。インタビューなんてとんでもない。若い頃ならどんどんインタビューを受けテレビに出て友達に自慢しまくっただろう。ちょっとしたヒーローだ。そんな時代だった。
まてよ、私はインタビュー受けても何も答えられないじゃないか。
しかし、うるさすぎて何もできない。ドラマの録画みたかったのに。散歩も買い物も行けなかった。ふざけるなマスコミ。
しばらくしてピンポンは鳴らなくなり、窓からみえる無数のシルエットは夕方になって消えた。
つづく
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