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小説 となりのひきこもり8
何事もなかったようにいつもの生活に戻った。その後の報道はない。スピーカー奥さんの大声がたまに聞こえることがあるが大したことは言ってないのだろう。テレビのニュースになったというのに周りは平穏である。
何か月かして事件があった隣から凄い物音が聞こえてきたと思ったら引っ越しだった。何があったのか知ることもなく事件が消えていくらしい。その後を知ることもなく事件が終わっていくことが増えている気がする。
コウちゃんは生きているのだろうか。父親はどうなったのだろう。噂ではコウちゃんは亡くなって父親は不起訴で仕事を失ったとか。まあ、この近所の噂はあてにはならない。スピーカー奥さんが広めた噂かもしれない。
沈みそうな赤い夕日に包まれて引っ越しトラックは走りだし、それを追うようにカラスが鳴きながら群れて飛んで行った。
完
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