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短編小説

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小説まとめました ほとんど超短編小説 思いついたときに書くので不定期です
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#医者

超短編小説 そんな医者

待合室は重苦しい空気に包まれている。誰が何するかわからない。呼び出されるまでの我慢だ。 ポーンという音と共に電光掲示板に29番が出た。私の番号だ。診察室に入るとカマキリのような医者が何かでキメたような目で私を見る。 「試験どうなった?」医者が子供のように聞く。 「合格しました」私が答える。 「それウソだね。なら今度新築する家に地下室を届け出ださないで作ることについて相談させて」医者はちょっとだけ目を光らせる。 なんでそんなもの作るんだよ。犯罪でもやらかすのかよ。私は心