超短編小説 とある病院
寂れた地域の精神病院。近所の人間が訪れることはない。鬱蒼と生い茂る樹木と砂埃を纏い建っている。西洋建築によくある細い鉄で細かな文様がある門で閉ざされその中を知ることができない。だが精神病院として医師会には登録されている。確かにあるのだろう。
院長が高級スポーツカーに乗るのをよく目撃されるそうだ。横断歩道は止まったことがないという。噂だが。
入院患者はどこの病院も受け付けない患者だという。死亡退院率90%。患者の家族は早く死んでくれることを望んでいると言われている。入院費も