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営業の組織論 何故同じようにお客様を担当しなければならないのか?

規格型営業と提案型営業

適材適所という言葉があるように、営業も同じように適材適所の組織体制にしたほうが効率が良いと思っています。
営業と言っても、個人向け営業と法人向け営業があり、法人向け営業の中にも企画型商品の営業と提案型商品の営業など様々な形態があります。
ここでは、私が所属しているコンサルティングや研修を行う業界で考えてみようと思います。
この業界の特徴は、常時顧客ニーズが顕在化しているわけではなく、何らかのきっかけで人事制度を作ろうとか研修を行う等のニーズが顕在化します。
つまり、お客様を定期的に訪問してもネタが常にあるとはいえない状況です。
また、商品を提供する側も「既に企画された商品(例えば出来合いの管理職研修)を販売する営業」と、「顧客ニーズに合った商品を提案する営業」の2つに分けることができます。
前者を「規格型営業」、後者を「提案型営業」と呼びますが、「規格型営業」は規格品のパンフレットを手にしてお客様への活動量で勝負する営業であり、「提案型営業」は顧客ヒアリングをしっかり行い潜在ニーズを顕在化させる営業とも言えます。
どちらが難しいかと言えばもちろん「提案型営業」ですし、大型案件も「提案型営業マン」が受注することが多いのですが、人数的には圧倒的に「規格型営業マン」が多いというのが実態でしょう。

十人十色

従来型組織の問題点

さて、実際の営業の現場では、「規格型営業マン」も「提案型営業マン」も同じように顧客を担当し同じような営業活動を行います。
つまり、優秀な「提案型営業マン」がニーズのない顧客を訪問する無駄が発生します。
また、パンフレット商品しか売れない「規格型営業マン」が顧客ニーズを把握できないままパンフレットに載っている商品をゴリ押しして受注できないというリスクも発生するのです。
今までは、すべての営業マンを優秀な「提案型営業マン」にすることが求められていましたが、能力差がありますので難しいというのが実態です。

ラウンダーとクローザー型組織

ではどうしたら良いのか?
「企画型営業マン」はお客様を定期的に訪問し、出てきたネタを素早く獲得する「ラウンダー」として位置づけ、「提案型営業マン」を「ラウンダー」が獲得してきたネタを更に深掘りし提案書を作成し結実させる「クローザー」の位置付けにします。
「ラウンダー」5名、「クローザー」1名の計6名程度が一つのチームとなり売上目標を持つという編成です。
「クローザー」はとにかく訪問件数と情報収集が大きな役割です。
「クローザー」は、ネタの結実だけでなく「ラウンダー」が顧客訪問できるような資料作成を、他の「クローザー」とともに行うというイメージです。
すべての業界に当てはまるとは言えないでしょうが、このような考え方もあると思います。



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