適当な言葉

 あと5分で寝る。5分で寝れるのか。寝るって言うとだいたいの人は布団に潜る事を言うけれど、自分が今まで生きてきてずっとこの寝るっていう行為に苦手意識を感じているのは正に他でもないこの「布団に入れば取り敢えず寝る事になる」っていう意識であって、実際の所生理的な睡眠は布団に入ってからほどなくして脳みそが睡眠状態に入る事を言う訳だから、要はあの布団に潜る行為という「寝る」と実際的な「睡眠」というものの間には、「布団に入って起きている」状態がある訳だけど、世間の皆様方に置かれましては大変この時間について軽んじている印象を受けるのであります。まず、この時間を最も有効活用できている例は他でもありません、セックスです。愛する人、いや別に愛なんて高尚なものはないかもしれませんがね、その、2人でまずは布団にお入りになるでしょう。えぇ?すいません僕は童貞なので実のところよく分かっていないんです。まぁそれは置いておいて、正にこういうセックスは「布団に潜るという寝る」と「脳が睡眠状態になる」という2つの「寝る」のちょうど間で行われていますよね。そしてなにより私たちはこうして他人と交わったことを他でもない「寝る」という表現で言ってのけている訳です。全く意味がわかりませんね、どこが寝ているっていうんですか。景気よく一発夜の大運動会していたんでしょう。まったくここで私が求めている安寧と安らぎのあるところの「ねむり」とは異なっていますね。ただしかしここから読み取れるのは、やはり「寝る」という言葉を取り扱っている我々が思いの外「寝る」という事に対してぼんやりとした運用をしているという私の問題提起の補強でもある訳です。要は何が言いたいかというと、眠い。眠いけど寝たいとは違う。いや正直なところ、もうすっかり寒い季節になってきましたし、布団にぬくぬくと全然潜りこみたいし全くヤブサカではないのですけれど、如何せんそうして布団に潜りこんでから睡眠に入るまでの例のよく分からない「便宜上の寝ている時間」というものがどうしても苦しいのです。私はそれに困っている。最近医者から処方された睡眠薬を飲むようになって、すっかり従来の私がこの便宜上の睡眠時間にどれだけ苦しみのたうち回っていたかを痛感してしまったから、こんな文章をぶちまけるくらいにはこの時間を考えさせられているわけで、
 あ、なんだか眠く鳴ってきたかも、このまま布団入ったらササっと睡眠できそう。そうだ、この文章はその為の時間稼ぎに5分くらいで書けるだけ書く文章だったんだ。今はだいたい書き始めて12分くらい。結構かかっちゃったな。じゃあ、おやすみなさい。


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