見出し画像

【午前中は】あまりにも個人的大阪文学フリマ総括【ぶっちゃけ酒抜けてなかった】

 本稿は、大阪文学フリーマケット2023年の個人的で主観的な総括である。僕が僕のためにする総括であり、残念ながら誰かにとって具体的に役立つとは考えられない。「なんだよ、出店してみたいから調べたのに、参考にならねーのかよ!」というそこのあなたちょっと待って。
 文学フリマについては、参考になるネット記事やその他の情報がたくさん転がっている。例えば「同人誌即売会 持ち物」「文学フリマ 準備」などで調べると、いろんなサイトが出てくる。また、会場の様子や設営のデザインなどは、Twitter(意地でもXとは呼ばない)で「#文学フリマ」などで調べてみると雰囲気は掴めるだろう。文学フリマ(以下文フリ)出店者は本当に親切な方が多いし、有意義な情報を分かりやすく教えてくれる方がたくさん出てくる。やさしいせかい。
 赤字前提で本刷ってるドM人間の集まりなんだから、親切さの格がちげえんだよ(まじで感謝してます)。

 それでは、本稿の目的は文フリ終了後の脳内を言語化して整理するのが目的なので、さっそく言語化していく。

以下、書きたいこと。
1 実際の売上
2 文フリ出店の目的
3 出店にあたって、良かった点と悪かった点
4 総括
5 結論、これから文フリに出店するのか

1 実際の売上
 売上は6冊だった。加えて献本2冊、見本部屋1冊ということで、僕の手元から離れたのは9冊だ。この時点で、このコラムは面白くない。普通に考えて、0冊か完売か、どちらかのお話が面白いに決まっている。結果は極端な方が、エンターテイメントとしては面白い。だから僕の反省だとか今後の展望も、突飛で笑いのあるものにはならないだろう。本当にただ、振り返りたいだけなのだ。
 四年制大学を4年で卒業したやつの話が面白いか? 留年したか、早退した人のコラムの方が絶対に面白いだろう。そういうこと(なんの話?)。

 一冊も売れなかった方へ。あなたは、自作を形にして、当日出店しただけで偉い。その時点で、創作論をべらべら並べるクセにネット小説は一年更新していない、クズみたいな自称小説家(爆笑)とは一線を画しているのだから。文フリ大阪で売上0冊だった人連絡ください。今度買うから。破産しない範囲で(貧乏)。


2 文フリ出店の目的

A「いつか出店側になる」という夢を叶える
B出店経験者の言う「簡単ですよ」が本当なのかという検証
C公募落選作品や、規定に合わなかったお蔵入り作品の供養
D作品供養としてすっきりできたかどうかの検証(超重要)

主に以上の4点が目的だった。順に振り返ってみよう。

A「いつか出店側になる」という夢を叶える
 参加者としては何度か(何度も?)行っていて、出店者側になりてえなと考えていたた。もちろん、出店した時点でこの目標は達成だ。詳細は後述するが、僕がたびたび「人生で一度は出店したい」という話をすると、他の作家さん数人に
「簡単ですよ」
「人生の目標にするほど大層なものじゃない」
「いつでもできますよ」
「今から申し込んだら良いんじゃないですか」
「そらさん原稿はあるんだから、あと一歩というか半歩で、できますよ」
 などと言ってもらった。これらの言葉が、出店を決意させてくれたのは言うまでもない。

B出店経験者の言う「簡単ですよ」が本当なのかという検証
 嘘 つ く な ! 大変じゃねーか! ただし嘘というのは早計である。簡単かどうかというのはあくまで主観的な感覚であり、言葉をかけてくださった方々にとっては、本当に簡単なのだろう。
 毎年出店したり、毎年どころか文フリ大阪行ったら今度は文フリ東京行ったり、公募で何十万字も書いてる人らが言うセリフだから仕方がない。簡単なんじゃなくて、常連陣のスタミナが凄すぎるだけだった。それを考えず馬鹿正直に受け取った僕が悪かったという悲劇(喜劇)。
 それと、準備していく中で僕が感じたこと。本が出来上がるまでの工程で何を愛しているか、大別して二種類の人間に分けられるのだ。
 それは、「本文を書くこと、執筆だけが好きな人」「表紙や装丁を考えたり目次をつけたり、本作りそのもが好きな人」だ。もちろん両方の要素を併せ持つ人や、うっすらと片足ずつ突っ込んでいる人もいるだろうが、僕は前者の要素が強い。これは正直、イベント参加前から分かっていたことだ。
 公募に小説を出すとき生年月日や本名を書くのだが、ぶっちゃけこれですら面倒で、自分用のフォーマットを勝手に作成していつもコピペで済むようにしている。僕は執筆だけがしたい。自己紹介など要らない。
 そういうわけで、絵師さんら各位への連絡、Twitterでの宣伝、目次や奥付の編集、全部が面倒くさかった(人間のクズにして社会不適合者の鏡がこの野郎)。
Qじゃあなんで装丁の人を雇わなかったんですか?
Aお金がないからです。

C公募落選作品や、規定に合わなかったお蔵入り作品の供養
 普段公募での活動が主だが、「落選後、もうどこにも出さないだろうなという作品」「執筆したものの文字数が中途半端、ジャンル不明などの理由で出す賞がなかった作品」というのが溜まってくる。溜まってくるよね公募勢の皆さん?
 早い話ネットにあげれば供養はできるのだが、どうせなら紙にしてみようと思っていた。これで、自分用に一冊とっておけば物理的な保管もできる。一応目標達成だ。まだ他の原稿はあるのだが、「これって人様からお金を受け取る作品だよね?」と自問自答すると、何でもかんでもは掲載できなかった。
 落選作とはいえ高評価の言葉をもらったものや、個人的に気に入った作品のみを掲載した。その結果、合計で60ページ程度の一瞬で読める短編集になった。薄いよ。背表紙ないよ。

D作品供養としてすっきりできたかどうかの検証(超重要)
 すっきりしたし楽しかったわ(単純)。細かい話は総括でする。

3 出店にあたって、良かった点と悪かった点

悪かった点(主に反省点)
・出版に合わせて完全新作を執筆し、一作は載せるべきだった
・表紙にもっとお金をかけたかった(絵師さんの問題ではなく、僕の財布の問題)
・サインを求めてくださったのに、サインペンがなかった
・ガムテープがなく、隣の作家さんに借りた(大阪まで行ってプロに迷惑をかける)
・ウィダーなど、ブースから離れずに栄養摂取できるものがあればなお良かった
・貯蓄がほとんどなくなった(創作に精が出ますねえ)

良かった点
・本が売れた
・売れたことで、僕あるいは下読みさんしか知らなかった作品に、「読者」さんがついた
・無名物書きから、ほとんど無名の物書きにレベルアップした(誇張表現)
・サイン書くのが楽しい(本当に気持ち良いよこれ)
・生で読者の方と話すことができた
・同会場にいらっしゃるので当然だが、他の出店者さんのところへ気軽に行ける
・出店者同士で交流ができた
・想像より安価で出版できることが分かった
・楽しかったので、毎回出店する人の気持ちがちょっと分かった
・おそらく、値段設定は適切だった
・目立ったトラブルは起こらなかった
・出版部数は適切だった

4 総括
 楽しかったし、サインをさせていただいた後などはアドレナリンが出ていたのか、「毎年出る人の気持ちが分かるぞこれ!」となった。
 大きい反省点としては、完全新作がなかったこと。今回、ほとんどがお蔵入り作品なので「読者さんは初見だろう」とたかを括っていたのがよくなかった。実際のところ、公募落選した作品は他人に見せる機会などないわけだが、物書き仲間に下読みをお願いすることはままある。また、一週間くらいネット公開してから削除した作品(病んでる高校生かよ)も二作ほど掲載した。つまり深い交流のある作家さんにとっては、全6作中4作は読んだことがある、みたいな状況が生まれてしまったのだ。今は購入してくださった方の優位性を保つため、最初の短編『やよい軒、梅雨』以外は非公開にしてあるし、今後ネット公開の予定はない。
 だが、ほぼ既読にも関わらず購入してくれた仲間には、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

 一冊も売れない状況もある中、大きいものではないが売上があり、自作品の需要があることが目前で確認できたのは嬉しいことだ。

5 これから文フリに出店するのか
 出店する5割、出店しない5割で本当に悩んでいる(総括として微妙すぎる)。出店する友人もいるし客としては当然行くのだが、出店する側になるとプレッシャーが違う。緊張しやすいのかもしれない。
 現状の結論として、「新作を出すなら出店する」ということにした。せっかく出店するのなら、お品書きが初回と全く同じでは、今年買ってくださった方が足を運ぶ理由が一切ないからだ。
 どうせやるなら、今作での反省を活かしたいといいう気持ちもある。誰の目にも触れなかった作品に、一人でも読者がついたことは、跳ねるほど嬉しい。これにて、人類が滅亡しても地層の中から僕のサインが発見される可能性が残ったわけだ(スケールの強引な拡大)。しかし反省で書いたとおり、今回の短編集では新規性がなかった。読者視点ならあったかもしれないが、作者視点ではなかった。
 次回自費出版するなら、「ただの過去作のまとめ」に留まらぬよう、完全新作を最低一作は掲載したいと考えている。
 次回出店することがあるとしたら、その算段ができてからだ。

以上

この記事が参加している募集

#文学フリマ

11,723件

サポートいただいたら本を買ったりご飯食べたりします。