シェアハウス・ロック0618

規格

 朝起きたら階下に行き、まずコーヒーを淹れる。自分の分を淹れる前に、このごろでは、我がシェアハウスのおばさん用のコーヒーを淹れることが加わった。おばさん用は、だいたい2日に一度程度だ。
 おばさんは、熱い飲み物は飲まない。よって冷やす。そのため、この手順のほうが合理的だ。おばさん分のコーヒーでポットを温めるわけである。つまり、おばさん分のコーヒーは、ポットの温めカス(笑)。
 おばさんはがんの予後にがん関連の書籍を読み漁り、中川恵一さんの本で「一日に2、3杯コーヒーを飲むといい」という語句を発見したのである。それ以来だ。
 当初、ポットにコーヒーを落とし、それをペットボトルに入れ、冷やした。ところが、ペットボトルだとなかなか冷めない。それで、おじさんが毎日飲む500mlのビール缶に着目した。アルミなので熱伝導率もいい。
 ポットからアルミ缶に移し、洗い桶に水を張り、冷ますわけだが、フタをしないと水が入る恐れがある。なんとなくとっておいたワンカップ(酒)のフタを使ってみたところ、これが500mlのビール缶にぴったり。
 規格があるんだろうな。
 規格と言えば、ポットに一杯のコーヒーをつくると、それがちょうど500mlである。これも、こんなことを始めて、初めて知ったことである。
 つい最近、私は台所改革を行った。台所の水切りかご(ステンレス製)には、スプーンや箸などを入れる小さな水切り(これもステンレス製)が付属しているのだが、ここに菜箸や菜箸用に使う割り箸などが常駐していた。どちらも白木なので、必然的に水を吸い込む。そのため、滞在時間の長い箸類にはカビが生じる。これが目に余るようになったので、河鍋暁斎展で買ってきた暁斎の絵付きのワンカップを使い、それに乾いた箸類を入れるようにしたのである。これは成功。それ以来カビに悩まされることはなくなった。
 ところで、自分用のコーヒーや、おばさん用のコーヒーが微妙に余ることがある。そういうときにはコップに余りのコーヒーを移し、ラップで蓋をして冷蔵庫に入れるようにしていた。
 ところが、前述のワンカップの蓋で欲の出た私は、これもワンカップにしたら…という考えにとりつかれた。で、ワンカップ大関を新たに買ってきて、当然中身は飲み、空いたカップに蓋をしたところ、微妙に合わない。蓋が外れてしまう。ようするに、ワンカップ大関の蓋は、コップ部分にではなく、それを覆うアルミの蓋部分に合うサイズなのである。規格があるとは言っても、微妙に違うんだね。
 これは、前述の暁斎コップとワンカップコップとを入れ換えることで難なく解決した。暁斎コップに、ワンカップ大関の蓋はぴったりだったのだ。
 私は、こういうちまちました工夫が好きなのである。
 台所だけは汚れているのが嫌なので、ちまちまときれいにする。コーヒーミルを拭いたウェットティシュで、タイルなどを小まめに拭いたりする。
 私を、台所の隅にでも転がしておいたら、台所は常時きれいになっている。維持費もかからない。

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