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魔導人形は深き者どもの夢を見るか②

「少し前まで、ここは海だった。埋め立てで出来た土地は地震で液状化現象が起こると聞いたことがある」

恐る恐る靴の裏で、確かめてみるとザラザラとした石の感触があるだけだった。

よく目を凝らしてみてみると、単なる記号か未知の言語なのかはわからないが、石を意図的に削ったような跡が見られた。

「随分古いものみたいだけど、全く読めそうにない」

「さっきの魚が消えた位置が丁度この辺りかな」

しばらく待ってみるが、同じ現象が起きることはなかった。

「ふたりとも同じ白昼夢を見たのかな」

「手がかりになるか分からないけど、写真で撮っておこう」

スマホのカメラで、訳の分からない文字を撮影し、同時にネットで検索をかけてみる。

日本語でもロシア語でもない、それを解読することはできなかったが、似たような文字が刻まれた石が他の場所にもあることが解った。

大昔に、この土地で大きな津波が発生したことを後世に伝えるためのものらしいが、誰が作ったのかは分からない。
海が見えないこの土地で、水を幻視する。
敷き詰められた無数の敷石が大きな川のように続いていく。

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