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インドネシア人の4大ルーツ

 インドネシアの国民は大きく、インドネシア系、中国系、アラブ系、インド系に分けられます。
 もちろん、これはルーツであって、国籍はみんなインドネシアです。
 他の地域や国をルーツに持つ方々もいますが、目立つのはこの4つです。

 インドネシア系というのは、pribumi といい、マレー系インドネシア人を指します。pribumi というのは、直訳すると「大地の子」という意味で、原住民や現地民、地元民を意味するものです。
 つまり、アメリカ合衆国における(以前はインディアンと呼ばれていた)ネイティブアメリカンと同じく、先祖または自身が移民ではないインドネシア人のことです。
 他の(特に中国系)人たちからはインドネシア系とひとまとめにされることも多いですが、実際にはジャワ人、スンダ人、バタック人、マドゥーラ人、、、、などとその出身民族(または部族)で分けることも多いです。

 中国系は、そのまま中国にルーツをもつ人々です。
 これも中国系以外からは中国系とひとまとめですが、実際には客家、福建、広東などと分けられることが少なくありません。
 また、中国系は古い時代にインドネシアに移民して定着した人々と(彼らに比べれば)最近定着した人々でも違い、さらにはCina Jawa (ジャワの中国系)などとインドネシアのどこの中国系かを明示されることもあります。

 アラブ系は、アラブ(アラビア)にルーツをもつ人々です。
 一般的にはインドネシアにイスラム教が本格的に入ってきた15世紀ごろから移民してきましたが、それ以前(古くは8世紀ごろから)にも数は少なくともインドネシアに来ていた方々はいるようです。
 中国系と違い、インドネシア系と政治的経済的なトラブルは少ないですが、イスラム教発祥の地ににルーツがあるという意味で、いちもく置かれている印象はあります。
 今年(2024年)の大統領選に立候補していたアニス氏のことを、過去の実績以外にも、アラブ系でムスリムということだけで支持していたり、反対に支持しなかったりする人もいました。

 インド系はインドにルーツをもつ人々ですが、日本のインドカレー屋さんと同じく、厳密にインドではなく、現在のパキスタンやバングラデシュにルーツがある人々も含まれています。
 もちろん、インドとパキスタンが分離する前にインドネシアに来た方々の子孫は、現在はともかく、先祖はインド人で間違いないのですが。
 アラブ系と同じく、特に政治的経済的なトラブルはありませんが、アラブ系と違うのは、仏教やヒンドゥ―文化とからめて敬意や嫌悪を持たれてはいません。
 インドネシアはイスラム教が入ってくるまでは仏教とヒンドゥ―教が盛んでした。どちらもインドから来た(仏教はインド仏教以外に、のちに中国仏教も入ってきますが)ものですし、インドネシア文化に大きな影響を与えています。しかし、だからといってインド人がどうとか、インド系がこうとかいう扱われ方はしていません。

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