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「日記」予測不能にもほどがある 昭和的実録海外ひとり旅

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既に半世紀前、プライベートでの初めての海外ひとり旅時の一年半程の日記です。 旅行日記であるにも関わらず、その地の紹介や感動などは余り書かれておらず、ただ自身の上に絶え間なく押し…
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2024年4月の記事一覧

予測不能にもほどがある 25 旧ユーゴ|イタリア編 (2 昭和的実録 海外ひとり旅日記

        日記_027 非の打ちどころの無い街   29 / 30 / jun 1978 海に傾いた街 バスは既に夕闇の中、おそらくこの辺り素晴らしい渓谷が展開されているだろうことは、時折ヘッドライトに照らし出される覆い被さるような岩陰で想像はできるのだが、そんな中を悪戦苦闘しながら走るバスを思い描くばかりで、景色を堪能する術もない。 峠の頂上らしき(暗黒で分からない、唯 寒風が吹き上げてくるコトで察せられるだけだ)に小屋があり、一回だけの休憩をとる。 ガ

予測不能にもほどがある 24 旧ユーゴ|イタリア編 (1 昭和的実録 海外ひとり旅日記

        日記_026 シアワセの国  26-2/ jun 1978 途中Jimmyの友人のIsmaniと合流し、英語の先生と共に、彼の部屋に入ると楽しい晩餐はパイとアイラン(ヨーグルトに塩を混ぜた飲み物でトルコ発祥)で乾杯となった。 (実はここはJimmyの家ではなく、Ismaniの家であった。これからあちこち引き回されながら有りったけの友人を紹介されたので、誰が誰だか何処が何処だか、混乱してしまったのだ) しかしお互い旅の疲れか談笑も早々と切上げ、

予測不能にもほどがある 23 ギリシャ編 (9 昭和的実録 海外ひとり旅日記

        日記_025   25/ jun 1978 ギリシャ エピローグ 翌朝、惜しむ気分もままならず追い立てられるように、人気のない道をバスで行く。 ところが(なんてコトだ) 船の中には長髪の外国人が二人、三人と居るではないか。 船は来た時とは反対側の半島の海岸線を、俺のいきり立った思いを沈めるかように、静かに舐めるように朝靄の中を進んで行く。 呆気ないAthosの幕切れに腹の虫が治らないのか、下船したらヒッチと意味もなく決め込んでいる。 すぐ