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そらバカ日誌

私が初めて"飛行機だいすき人間"の彼と出会ったのは、今から6年前。
仕事の悩みに親身にのってくれた彼。
彼の車で食事に行った時、なんか違和感を感じたのだ。
彼は自分の車のことを“機体”と呼び、車から迷彩柄のジャケットをおもむろに取り出す。

“なに、それ??機体???“

私は嫌な予感がした。
今まで男運がなく、みんなに引かれるような人と我慢して付き合ってきた。
“そんな彼氏なら、私は独身でいい“とさえ同僚に言われた。

迷彩柄のジャケットを見て真っ先に思ったのは、軍隊オタクとでも言うのだろうか?
迷彩服を着て、サバイバルゲームなどをする人達。
が思い浮かんだ。

“ああ、やってしまった。オタクは嫌いじゃないが、軍隊は受け入れられない“
と強く心の中で思った。

“うん、これはフライトジャケットだよ!飛行機が好きなんだ!“
“車を運転するのは、俺にとっては飛行機を操縦するのと同じだから“


“自衛隊とかに憧れているの?“
とおそるおるそる私。

“いや、今は旅客機とアメリカ海軍だね!“
“よく羽田空港に撮影に行くよ“

ほっとする私。
そのまま、彼と横浜に向かった。

後から分かったのだが、迷彩柄のジャケットは本物。
アメリカ海軍の人が中古で売っているものを入手していた。
そして、ジャケットには、部隊ごとに違うワッペンをその日の気分で付け替えている。
ワッペンをにマジックテープを縫い付けるためにミシンまで持っている彼。

そして、私はそこまでハマる彼に敬意を込めて“そらバカさん”と心の中で呼ぶことにした。

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