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コツコツ型の積み立ては、毎日と毎月どちらが良いのか

はじめに

投資は入るタイミングが非常に重要です。
相場が過熱しているタイミングで、暗号資産や株式に有り金をすべて突っ込み、そのあとの暴落から身を守る投資戦略として、同一金額を規則的にコツコツ積み立てる「ドル・コスト平均法」で投資を行っている方も多くいらっしゃると思います。

この記事では、暗号資産とNISA等の投資信託をコツコツと積み立てていく場合でも、

  • 毎日数千円でも、少額ずつ積み立てるのが良いのか

  • 毎月、給料日直後等の日付を決めて、ある程度まとまったタイミングで積み立てるのが良いのか

という点について、自分の考えを述べたいと思います。
最初にお断りしますが、これには正解はないと思います。あくまで個人的な意見ですので、参考程度に読んで頂ければと思います。

長期投資において特定の数日の購入を外したとすると、長期平均リターンの大部分は、実現しない

前回の記事書いた記事「FIREを目指すにあたり、暗号資産投資を中心に選択した理由」で紹介した、
バートン・マルキールさんが書いた
「ウォール街のランダム・ウォーカー(第12版)」井手正介(翻訳)
第6章 テクニカル分析は儲かるか 7. 投資家への示唆

の中で、超長期で株式を保有し続けた場合の投資パフォーマンスについて、面白いことが書いてありました。

(引用)
「ミシガン大学のH・ネガット・セイバン教授は、1960年代半ばから90年代半ばまでの30年間に起こった大きな上げ相場の95%が、この期間の約7500取引日のうちのたった90取引日に起こったことを確かめている。もし全取引日の1%強にすぎない90日間を外したとすると、株式投資の高い長期平均リターンの大部分は、実現しなかったことになる。」
「もっと長期で見ても『マスター・トレーダー』の著者であるラズロ・ビリニーは次のように指摘している。「1900年にダウ30平均に1ドル投資して2013年初めまで保有したと仮定すると、その価値は290ドルに増えたことになる。しかしもし毎年もっとも相場が上昇した5日間を外したとすると、2013年の投資価値は1セント以下になってしまっただろう」と。」
(引用おわり)


上記は、テクニカル分析を使って相場変動のタイミングを当てるのは、もし外れた場合に、大きな上げ相場を逃してしまう可能性があり、危険である(なので分散投資が賢明)ということを解説している文脈の一文なのですが、これを読んだ際に私は、

・・・もしかして、これは月次で積み立てるよりも、日次で積み立てるほうが賢明なのではないか?
ビットコインなんて、1日の変動が10%を超えることもあるのだから、もし月次でコツコツ積み立てて、1日の上げ相場を逃したら、パフォーマンスに影響してしまうのではないか?

と考えました。

長期投資が前提なら、積立頻度はリターンの差にあまり影響しない

そこで私は試しに、データが取得できたビットコインの時系列データ(2018年4月1日~2021年12月30日)までの終値を使って、

  • その日の終値でビットコインを1日3,000円ずつ毎日積み立てた場合

  • 30日間に1回の頻度で、ビットコインを90,000円ずつ毎月積み立てた場合

の結果を比較してみました。

結果は、なんと月次積み立てのほうが、ほんの少しだけパフォーマンスが良い結果となりました。
日次積立のほうがパフォーマンスが良いのかなと思っていたのですが、意外な結果でした。

気になって、暗号資産ではなく、他の投資信託の場合はどうなのか、ということも調べてみたのですが、例えば以下の記事ですと、積立期間を15年間として8資産バランスと全世界株式の投資リターンを比較しているのですが、結果は「毎日」のほうが少しだけ有利となっていました。

投信積立の頻度「毎日」と「毎月」どっちが有利? | マネックス証券 (monex.co.jp)

結局は買う場合の相場次第で、

  • 長期投資の場合「毎日」でも「毎月」でも、頻度はどちらでも良く、あまりパフォーマンスには大差がない

  • テクニカル分析を使って相場変動のタイミングを当てるのは、もし外れた場合に、大きな上げ相場を逃してしまう可能性があるので、長期での分散投資が大事

ということのようです。

それでは今日はこの辺で。


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