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言葉の名刺

カウンセリングも3回目となった。2週間に1回というペースなので、休職してから1ヶ月半近くになろうとしている。

カウンセリングについては前回書いたnoteがあります。


前回2回目には、職場の雰囲気の悪さ、天敵のような人物が数人いること、会社の事業内容から自分の置かれた立場など、そこそこの社内事情を話した。赤の他人にいろいろ話して良いのかと逡巡する反面、赤の他人だからこそ話せるのではないかと、安心する気持ちも芽生えた。

今回はさらに時間を延ばして50分とした。カウンセラーさんはいつも何気ない天気の話などをしながら、前回の続きの話に持っていき、そこから変わった出来事や考えていることなど聞き出していく。

僕が目下悩んでいるのは、休職を明けたあとの進路についてだ。その悩んでいる内容を率直に伝えた。するとカウンセラーさんは1枚の紙を取り出した。そこにはマトリックス状の枠があり、何という方法か聞いたけど忘れてしまったが、何か問題や悩みを整理するために使うシートのようなものらしく、題名と目標と項目、それぞれメリット、デメリットが書けるような簡単な書式であった。それを基にして話しを展開していった。

まとめると以下のとおり。

まずは僕の進路問題が課題であり、行き着く先(目的地)は、僕が安心して素のまま働けて、僕の気質であろうHSPや完璧主義を踏まえた働き方ができる場所だ。
僕の完璧主義については以下noteに書いてあります。

そして選択肢としては大きく3つ。

①元の職場に戻る
②転職する
③起業し独立する

①のメリットは、収入が変わらず安定すること。デメリットは、環境が変わらなければ何も改善されず、また休職に追い込まれる。

②のメリットは、環境を変えることで自分の気質を踏まえた新しい人間関係を構築できる、つまり人間関係をリセットしやり直せること。デメリットは、直ぐにマッチした職場が見つかるか分からないこと、収入が減るかもしれないこと。

③のメリットは、他者からの理不尽なプレッシャーを受けることなく自分で自分の働きやすい環境を作れること。デメリットは、具体的に実現可能な事業内容がないことと、収入が不安定で最悪ゼロになる可能性もあること。

今回は、カウンセラーさんの質問からこれらの内容を引き出されるように回答し、それをカウンセラーさんがシートに記入したところで終わった。問題が顕在化されたところまでで、それ以上解決したわけではないのだが、一旦自分が頭の中で考えていることを他人に口に出して話すことで、さらに分かったこと、違和感などを感じられたのが今日の収穫だろうと思う。

そしてカウンセリングを終え少し時間を置いた今、もう一つの収穫に気がついた。

僕は休職に入る前の通院するところから、自分で日記をつけるようにしていて、今でも続けており、そこである程度自分の中ではこの問題について整理されてはいた。しかし、やはり声に出して他人に発すると、何だか自分の考えに急に責任が生じたような気がしたのである。

頭の中で考えているだけなら、どんなことを言ってもやっても構わない。全く相手に伝わらないのだから、問題は生じない。だけど、言葉を発した瞬間に相手に伝わり、自分という人間がその言葉で表され認識されてしまうという怖さを感じた。

僕がさっき挙げた3つの進路問題について、こう考えているということをカウンセラーさんに告げたことで、カウンセラーさんは僕をそう認識した。その瞬間、僕とカウンセラーさんの二人の間では、僕はこういう考えの人間となったのである。

言葉を発するというのは、自分を表す名刺のようなものだと感じた。その言葉のチョイスしだいで伝わり方も違う。その言葉の強弱でも伝わり方が変わる。まるで名刺にかかれた文字のフォントや色や太さが変わるように。

カウンセリングを受けることで自分が変わるのではなく、本来の自分の輪郭がはっきりしてくる気がする。今回も受けてみて良かったと思う。そして改めて言葉の大切さにも気づいたことも、これからの自分に活きていくのではないかと思う。


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