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ジョーカー@妄ツイ
2023年11月23日 22:29
俺が彼女と出会ったのは、高2の春だった。俺は次のコンクールに出す絵のアイデアが浮かばず、キャンパスを抱えながら校内を彷徨っていた。放課後の校内というのは、9割近くの音が運動部の声か吹奏楽部の音楽だった。2年にもなり完全に聞き飽きたそれらは、俺の中で、ただけたたましいという印象だけが残り、静かに絵を描く俺の作業を邪魔する雑音でしかなかった。音楽室から遠ざかり、吹奏楽部の音声が小さくな