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「ってことは何かが起こったか、招待状か何か?」僕は首をかしげた。
すると、空から何かがまた振ってきた。「何だ?これ」僕が広げてみると、パーカーだった。
黒くて、肩のところには目が書いてあった。多分黒い吹き出しは黒いパーカーで消えているのだろう。
僕はそれを拾うと、着てみた。「結構似合うじゃない」彼女は上機嫌な声で言った。
僕は腕の紋章を見てみた。結構いけているかもしれない。
すると、今度は後ろで バサッ という音が聞こえてきた。
後ろを見てみると、そこには白いパーカーが落ちていた。
七海がそれを着てみると、結構似合っていた。
だが、そっちの方には目じゃなく、よくわからないマークが書いてあった。
「とりあえず外に出ようか、することは全部したし」僕たちが普通にドアから出ようとしたとき、外から声が聞こえてきた。
お母さんの声だ。どうやらこっちからは逃げられないらしい。
なので、僕たちは変身バッジと透明マントでその場を去った。

「危なかった~、もう少しで話題が切れるところだったよ」彼女は僕たちを見るとほっとした。
どうやら僕たちが透明マントを彼女の近くで外すと、彼女は学校に行かないといけないっていう理由を使って別れた。
「ありがとう、でもちょっと違うところに行かないといけないみたいだよ」七海はハアナに落ちてきた紙を見せた。
「というかその服、どこでゲットしたの?私も欲しいのに…」彼女はマスクを着けていたからどんな表情をしているのかわからなかった。
いつ見てもマスクとジャケットについたフードをつけている。マスクもジャケットも黒く、フードには猫耳が付いていて、彼女は夜の間、誰にも見つからずに動きやすそうだ。
「それで、違うところってまさかあそこじゃないよね?」彼女が考えていることと僕たちが考えていることは同じだ。「もちろんそこだよ、招待状らしきものが贈られたからね」
彼女は止めるかと思ったが、喜んでついてきた。理由は簡単、面白そうだったから、らしい。
七海によると、時間を変えることができるので、学校の心配はないらしい。
僕たちは僕の家に戻るわけにはいかなかったのでハアナの家へと向かった。
彼女の家は普通の家と同じだった。違ったことといえば二回で、少しだけ大きかっただけだ。
中にそろそろと入ってみると、誰もいなかった。「私一人だよ」彼女はくるりと回って歩き出した。
彼女は一人暮らしのようだ。「まあ、その話はあとでしようか。とりあえず今は私の部屋に来て」
僕たちはあの袋を前にした。「よし、それじゃあ入るよ」僕たちが飛び降りると、またあの通路に現れた。
そのまま滑り台のように降りていくと、前と同じ地面で跳ねた。
「ついた…」すると、さっそく警備員に出会った。
「…」その場所は数秒、沈黙に飛び込んだ。
僕は確実に追い出されるかと思いきや、彼はそのまま歩いていった。「こちらです」
僕たちがついていくと、その先にはあの男がいた。前に見た男だ。
「お前たち…」僕たちが彼の前に立つと、小尾氏を震わせた。「なぜ、帰ってきたのだ」
「なんでって…」僕たちはお互いを見た。「これが届いたから」七海が指を鳴らすと、あの招待状らしきものを取り出した。
だが、彼はそれを受け取って、何かを考えていた。「こんなものを渡した覚えは私にない」彼は首を振った。
「そんな…」僕は自分の耳を疑った。「だって!…」だが、七海が僕を止めた。「そうでしたか…それではお騒がせして、すみませんでした」
彼女が僕たちを連れて出ていこうとしたとき、彼が止めた。「ちょっと待て」僕たちが彼を見ると、彼は招待状の裏を見ていた。
僕たちが見た時は何も書いていなかったほうだ。
だが、彼の目を見ると、何かが書かれていたようだ。
「いったい誰にこれを渡された」彼に訊かれ、七海がすぐに答えた。「落ちていました」彼は何かを考えていた。
「何か書いているのですか?」七海がすぐに訊いた。「それの話なのだが…」彼は短くと説明をした。
そこには確かに文字が書かれていた。だが、彼しか見えない文字らしい。彼は特殊な目薬を一度つけたことがあるらしく、一部の違うペンで書かれた文字が読めるようになったらしい。
彼が読み上げると、こう書いてあった。
『お前へ
これをあいつに渡せてほしい。
まあ、ただの真っ白な紙にしか見えにだろうが、
招待状のように細工しておいた。
あいつに見せてくれ。
俺達は貴様が憎い。
だから貴様を狙わせてもらう。
それではさらばだ。
これを貴様が読んでから一以内に仕掛ける。

お前を憎む、匿名より』
彼は腕に力が入りすぎて、その板は壊れそうになった。
だが、板はびくともしなかった。
どうやらこの板は結また聴いてきた
「よし、分かった」彼は一度目を閉じ、また訊いてきた。「それで、ここまでどうやってきた」
僕は思い出した。「そういえばここまで警備員が連れてきました。無表情で連れてきました」
だが、彼はもう周りにはいなかった。「逃げたか…」彼は椅子をたたいた。
「直ちに見つけ出せ!」そこにいた人たちに命じたが、すぐに止めた。
「やっぱりやめだ」彼は立ち上がり、一人の前に立ちはだかった。
彼はにやりと笑って彼の腕をつかんだ。「お前、番号は何だ」
「二四二四番です」僕がその時、ほんの少しだけ噴き出してしまった。
七海も同じことを考えていた。二四二四番とは、僕たちが前に使った偽の番号だ。
だが、彼はすぐに彼を捕まえた。
連行されていく人は、ワーワーと叫んでいた。
「俺は雇われただけだ!何も知らない!」
だが、そんなことは僕にとってどうでもよかった。
「どうしてわかったんですか?彼が黒幕だよ」僕は不思議だったので訊いた。
「ああ、あれか?ないよ、そんなもの」僕たちの背中に寒気が走った。
「t、というと?」彼はにやりと笑みを浮かばせて答えた。「番号何て存在しないということだよ」
僕と七海はお互いを見た。「ということはあの時僕たちに訊いたのは…」前ここに来た時のことを思い出した。
「ああ、あれは私だよ」僕たちは彼を見た。「そ、そうだったんだ…」僕は苦笑いをした。
「それと、もう一つ聞きたいことがあります。できたらお名前を教えていただけますか?」
彼は忘れていた、というように慌てて名乗った。「私の名前は雄星だ。よろしく頼む」
彼が僕の肩を見ると、目をしかめた。「お前、そのパーカーはどこで手に入れたんだ?」
僕は自分のパーカーを見て答えた。「このパーカーはあのカードが出てきたとに空から落ちてきました」
彼は少し何かを考えていたが、そこで話は終わった。
「とりあえずこっちに来てくれ」僕たちは彼についていくと、この建物を出た。
前は窓から飛び降りたが、今回はちゃんとした出入り口から出た。
「こっちに来てくれ」僕たちが彼についていき、建物の裏側から周りを見てみるとそこは無限に広がる原っぱだった。
滑らかな風が吹き、明るい光が空高くから降ってきた。
僕は遠くを見てみると、ところどころに建物が立っていた。
「この世界には約1億人が住んでいる。だからところどころの場所には人が住んでいるんだ。ここが一番多い人口で、千人だ。お前たちのところでは何十万人もいるだろうが、私たちのところでは少し人が少なすぎてな」
彼は少し困ったように言った。
「そして、この世界にある町の中で一つがこのカードを君たちに送ったとしか考えられない」
すると、後ろから声がしてきた。
「ソノトオリダ」僕たちがさっと後ろを見ると、そこには一人の生き物がいた。
そのの顔にはにやりと笑う仮面がはめ込まれていて、人間ではないことが確実だ。
彼の足には3本しか指がないが、その爪は鋭く、どんなものでも切り裂けそうだ。
尻尾は太く、先はとがっていた。「誰だ!」僕が叫ぶと、彼は笑い出した。
「フ、フ、フ、。ワタシガダレダ、トイウノハオモシロイシツモンデスネ」彼の仮面に書かれた笑みが増した気がする。
「貴様!五体実験体ごたいじっけんたいナンバー〇一番まるいちばんか!」雄星はナンバー〇一番を睨んだ。「マサシクモ、デスガ、ワタシノナマエハナンバー〇ニバンダ」
僕は雄星を見た。「五体実験体とは何ですか?」彼はナンバー〇二番をにらみながら答えた。「あるマッドサイエンティストが作り上げた世界で一番の最高傑作、記憶力も人間の五倍だ。この世界には五体しかいないこととして、五体実験体といわれていた。あのマッドサイエンテストが言うにはまだ実験作品だったようなので」
「ヨクソコマデシッテイマスネ」彼はそのままくるりと向きを変えると、歩いていった。
「追うぞ!」僕と七海は『体力倍増薬』を使ったが、ハアナはそんなものを必要としないようだ。
彼の歩く速さはまるで僕たちを待っているかのようにゆっくりだった。
「どこに連れて行く気だ」おいながらも雄星が訊いた。「マモナクワカリマス」
彼が止まったところは原っぱのど真ん中だった。「ソレデハ、シタデマッテイマス」
すると、彼の下が消えた。彼はそのままその中へと落ちていった。
「な!?」そこまで駆けていったが、もうその時には元の地面に戻っていた。
彼は逃げていったのだろうか。少しそういう風には見えなかった。
ハアナはあることが心に引っかかっていた。
彼が最後に行った言葉、「ソレデハ、シタデマッテイマス」
という言葉だ。ということはどうにか下に降りる方法があるはずだ。
彼女はゴキブリのように地面を猛スピードで地面を這った。
すると、彼女は落ちていった。
壊れた地面に落ちて。
そのことに気づいたのは少し後だった。
「あれ?」初めに気づいたのは七海だ。
「ハアナがいない」僕たちが周りを見てみると、遠くに穴が開いていた。
僕たちが立っていた場所から百メートルほど先だった。
彼女は短時間で結構遠くまで隈なく探したようだ。
そこの目の前に行ってみると、底なしの穴にしか見えなかった。
「とりあえず飛び込もう…と言いたいところなのだが…」彼は僕たちを見た。
「君たちは少し無理そうだな」僕は強くうなずいた。必ずつぶれて死ぬだろう。
彼は首飾りを渡してくれた。「これは『蘇生首輪』だ。一度は死んでもまあ、生き返るだろう」
それを聞いて僕たちの背筋が凍った。「いやいやいや、生き返るとしても死にたくないですよ」
彼はにやりと笑った。「まあ、そうか。すまないな、私はこういうときに必要ないからこれしか持っていないのだよ」
僕は首を振った。「大丈夫です」ちょうどその時、風が吹き始めた。
「これはどうだろうか」七海が一枚の羽を取り出してきた。
「これを使えば羽のようにゆっくりと降りれるよ」だが、雄星が首を振った。
「それを使えばさようならだ。ついさっき、風が吹き出した。これも奴らの計画通りだろう」
僕たちは仕方なく『蘇生首輪』を使うことになった。
「ッーッ!」僕は怖すぎて声も出なくなっていた。

「死んだ気分はどうだったか?」下に降りると目の前に雄星が立っていた。
「最低だったよ…」それを聞いて、笑っていたのは雄星じゃない。ハアナだ。
ずっと入り口の近くで待っていたらしい。

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