見出し画像

創作大賞❚使用禁止道具-ノーマル

#小説
#創作大賞
#創作大賞2024
#使用禁止道具
#ファンタジー小説部門
(14940文字)

前の小説

初めの小説


僕たちは今、昼休みだ。
毎日のように昼休みは屋上へと上がっている。
下からは楽しそうな声が聞こえるが、ここからは楽しそうではない声が聞こえる。
「最近はまだ平和になったね」僕が横でのんびりと寝転がっている七海ななみに向かってつぶやいた。
だが、返事はない。下を見てみると、
寝ていた。
七海はここに来ると、結構寝ていることが多い。
一度は僕たちが七海のことを忘れ、七海が五時間目をすっぽかしたことだってある。
なので、七海は毎回屋上に来る時は『起きアラーム』を食べている。
これを食べれば何時でもどれだけ疲れていても起きることができる。
まあ、その後また寝てしまえば関係ないのだが。
「また寝てやがる…」僕はため息をついたが、いくらゆすぶっても起きないという黒なのかはわからない歴史があったので僕は起こすのをやめた。
向こうには天才双子の斉木さいき晴香はるかと斉木さいき弓田ゆみだがフェンス越しに座って何かを話していた。
晴香は時々やばいこともあるが、大体の時は普通にやさしくて頼りがいのある人だ。
だが、弓田は普通に賢いだけのアホだ。僕にはギャーギャー言ってくるのに晴香や七海には優しい。
晴香は双子だからいいとして、七海は少し気に食わない。
女子だからだろうか、それとも、他に理由があるのだろうか。
僕には全く興味がないが、少し気に食わない。
「?」遠くに何か光るものが見えた。
どんどん近づいてくる気がしたので僕がよけると、さっきまで僕座っていたところに矢が一本刺さった。
「危なかった~…」いったい誰がやったのかは全く分からないが、これが来たせいで嫌な予感しかしなくなってきた。
僕はため息をついてつぶやいた。「は~、また日が昇るのを見れるかな~…」七海はまだ起きていなくて、暢気に地面で寝ていた。
いったいどんな夢を見ているのかはわからないが、何か呪いみたいな言葉をさっきからぶつぶつとつぶやいていた。
にやにやしてよだれをたらしているので楽しいことなのだと思う。さっきからずっと呪いみたいな言葉をつぶやいているのはほっといて。
弓矢を拾ってみると、手から外れて地面に落ちた。
すると、地面に巨大な穴ができた。まるでこの矢が十トンとかあるかのようだ。
僕は拾い上げようとしたが、びくともしなかった。
「こ、これは…」僕がホロ王とするのをやめ、その上に座った。
これを見せるのは嫌な予感がしたからだ。
ちょうどそこへ、ハアナが屋上に現れた。
彼女は全く疲れている様子もないが、多分走ってきたのだろう。
止まれなくてフェンスに突っ込んでいたからだ。
フェンスはヘシャ曲がってしまい、戻せない状態になってしまった。
「このフェンス、意味ないな」「うん」弓田と晴香はハアナの体跡が残ったフェンスを見て話していた。
彼女は僕のほうに駆け寄ると、何かを探しているかのように周りを見た。「どうしたんだ?」彼女は焦っている様子できょろきょろと見回っていた。
「いや、何でもない」彼女はササッと屋上から走っていった。まるで僕から逃げるように。
僕はハアナに何か違和感を感じ、追ってみようと思った。
七海はやっと起きたらしく僕の座っていた場所を見ると悲鳴を上げた。
「ヤ、や、矢が地面にめり込んでる…」その声は一応ハアナに聞こえなかったらしく、戻っては来なかった。
どうしてそういう言い方をしたかというと、僕からすればハアナが探していたものはこの矢だったのかもしれないからだ。
そう思ったのはハアナが走っていった時だった。僕が彼女を追おうと思ったのもそれが理由だ。
彼女は僕をまた殺害しようとしたのだろうか。いや、違うと思う。
彼女は見えたのだ。誰かが僕にこの超重い矢を投げた奴のことが。
だが、別に訊くことはなかった。僕は飛んできた方向から目を光らせた。
もしもこんなに重いものを持っていたのならば、地面が砕けているはずだ。
それとも、僕が触れた時に重くなったのだろうか。
と、そこで、思い出した。飛んできて壁に刺さったときは何も起こらなかった。
普通なら壁をぶち壊して地面に落ちるはずだ。
なのに、びくともしなかった。
これは多分僕が触れた時に重くなったということだ。
外の地面を見るだけでは見つけれなさそうだ。
「いったい誰がこんなものを…」晴香と弓田、七海が屋の周りに集まっていた。
この言葉は多分、「いったい誰がこんなことをしたんだ…」とかではなく、「いったい誰がこんなものを持てたんだ」という意味に等しいと思う。
僕はもう一度持ち上げようとしたが、びくともしなかった。
しかし、七海が持ち上げると普通に持ち上がった。
僕が触れたとたんに重くなり、地面に突っ込んだ。
晴香と弓田が持ち上げてみたが、普通に持ち上がった。
どうやら持ち上げることができないのは僕だけのようだ。
僕は少し気が進まなかったが、仕方なく七海に預けた。
この中で一応信用できるのは七海と晴香だけだからだ。弓田は信用しずらい。
「とりあえずこれを投げたやつに心当たりはあるか?」弓田に訊かれたが、僕は首を降った。
本当に誰一人こんなことをしそうな人はいないと思う…というか一人だけいた。
初めて僕が七海の持つ機会を作る工場へといった時、雄星に変装していた男だ。
というかどちらかというとハアナが一番の目当てになる。だから、少し考えずらいかもしれない。
違う人といえば人じゃないが、零番かもしれない。五体実験体が作ったロボットのことだ。
零番は今何をしているのかはわからないが、僕を狙ってこれるかもしれない。まあ、僕が彼らの計画を木っ端微塵にしたのだから。
誰かはわからないが、とりあえず今日はできるだけ警戒しておく必要があるようだ。

学校が終わるまでは何も起きなかった。
普通に学校が終わり、家に帰っているとき、七海は何かを考えていた。
僕は今、七海とハアナと一緒に家へと歩いていた。
「どうしたんだ?」僕は周辺を見渡しながら彼女に訊いた。
あの出来事が原因で、ろくに授業も受けることができない。
「いや、その…」彼女が指を鳴らすと、棒が現れた。
彼女は地面から石ころを拾い上げ、その棒で触れた。「蓮田れんたが触ったときだけ重くなって」
彼女が言い終わると、それを僕に差し出してきた。
「これを持ってみて」僕は彼女から受け取ると、石を落としてしまった。
だが、地面に落ちた時にはもう普通の石ころに戻っていた。
ハアナが拾ってみたが、何も起こらなかった。
「この棒は『本能上書機ほんのううわがき』、どんなものでも本能を上書きできる。生きていても、生きていなくても」
彼女は石ころをハアナから受け取るとまた触れた。「蓮田が触った後、他の人が触れるまで重くなって」
それを僕が触れてみると、地面に落ち、前と同じように地面が少し壊れた。
だが、七海が拾った時は普通に拾えた。
「こうやって細かく指示すればどんなことだってできる。勘違いすることだってあるけど、ちゃんと使い方を知っていればおかしなことにはならない」
もしかしたら、これを使ってあの矢を重くしたのかもしれないと七海は告げた。
「本当にそうなら誰かが蓮田を狙ってるってことね」七海は頷いた。
「でもその誰かがわからない。ねえ、誰か心当たりはある?」僕はすぐに答えた。前に自分が自分に訊いた質問だから、簡単に答えることができた。
「あるといえばあるけど、あの雄星ゆうせいに化けていた男は牢の中だろうから違うとして、零番ぜろばんとかがやりそうには見えないんだよね。いるとすれば全くの別人化、雄星に化けていた男の手下かだと思う」
だから、今でも僕たちを観察しているだろう。
僕はため息をついた。もう普通に生きれる日は戻ってくるのだろうか、と。
今の生活もまあ楽しいと訊かれれば楽しいが、七海が来る前の生活もまあまあ良かった。
今の生活よりももっとよかったかと訊かれれば答えることができない。毎日友達と話して、昼休みはのんびりとして、一人で下校としていた。
今はいろいろな問題に巻き込まれて、昼休みもろくにくつろげないが、やっぱり楽しかった。彼女が来た日から、毎日が毎日ではなくなった。
いつもおかしなことばっかり起きて、毎日が一つ一つ、繰り返されなくなった。
いつもなら一人でのんびりと学校に行っていたが、今では七海やハアナがワイワイとうるさい。
いつもなら学校につくと主人公の席(窓側の一番後ろ)に座って、僕は空を眺めていた。
だが、今では七海がぺちゃくちゃ話すやらハアナがワイワイ話すやら、晴香がぶつぶつ話すやら、雄星がワーワーと話していた。
空をただただ眺める暇なんて朝の僕には存在しなかった。
授業中はいつも通りだった。先生の話を聞いて、ノートに書いて、手を上げて質問や問題に答える。
だが、昼休みは皆がうるさくて今まで静かだった屋上も静かじゃなくなってしまった。
だが、それもいいのかもしれない。毎日ループする日にちが毎日ループしなくなったのだから。
帰りは今のように七海とハアナと一緒に帰っている。斉木双子は全く違う方向が家なので一緒には帰ることがない。
ハアナは僕たちよりは学校が遠くて、僕たちが家に入った後も歩いている。
「ㇵ~…」僕はため息をついた。
まあ、七海に手を出してしまった僕が悪いんだけど。
僕があの時追っ払っておけばこんな人生を歩むことなどなかっただろう。
もしかしたらあのまま掘っておけば彼女は僕への興味も消えていたかもしれない。
でも、過去に戻って変えたいとは一切思わない。今の人生も結構楽しいものだからだ。
「とりあえず警戒はしておいたほうがいいね」僕はもちろん頷いた。その考えは正解だろう。
一応僕たちの家までは無事に帰れた。このまま過ごしていればまた日が昇るのを見えるかもしれない。天国ではなく、地国で。
「それじゃあまた」僕たちはハアナと別れた。
だが、僕の部屋に入るとそこにはハアナがいた。
「どこから入ってきたの!?」彼女はベランダを指さした。「というか何しに来たの…」僕はため息をついた。
「やっぱり帰ったら嫌な予感するから今夜はちょっとここにいる。明日戻るよ」彼女の親はほとんどの時間家にいないらしい。
僕と七海はため息をついたが、戻すわけにもいかなかったので止まることを許可することにした。
「それで、どうするんだ?」僕はため息をついてきた。「とりあえず蓮田のベッドで寝ようかな」彼女は暢気なテンションで言った。
だが、その言葉は七海の叫び声で消え去った。「それはだめ!」その声を聴いたのか、お母さんが僕の部屋に入ってきた。「何?って誰!?え?蓮田に彼女ができたの?」
「…」それを聞き、僕と七海は噴出してしまった。「そんなわけないでしょ。とりあえず、このことは忘れてね」七海が指を鳴らすと、彼女の手に今度は金色に輝く棒が現れた。
それをお母さんの頭に触れさせると、お母さんは首をかしげた。「はてな、私は何をしにここへ来たんだっけ…」「何言ってるの、戻っていく途中だったんでしょう、台所に」彼女はそうだったと、慌てて戻っていった。
「それは何だ?」僕は金色に輝く棒を指さした。「これ?これは『忘れん棒』。どんなことでも頭にこれが触れただけで忘れてしまうっていう仕組み」僕はきょとんとした。「忘れん坊じゃなくて?」彼女は頷いた。
「まあ、ほとんどの時は必要ないけど時々は役に立つ」彼女は指を鳴らしてから地面に座った。「とりあえず、見つけよう、犯人を」僕が告げると、全く違うところから返事が返ってきた。
「私も参加したい」聞き覚えのある声だったが、なぜか思い出せなかった。
僕の後ろにあった襖が開くと、そこには雄星がいた。
「ちょ!勝手に入ってきたら見つかっちゃうよ!不審者かとも割れるよ!」七海がギャーギャー叫んでいたが、彼は冷静な口調で言った。
「大丈夫だ。この世界は時間を止めておいた」ハアナを見てみると、彼女は固まっていた。「お~い」それに気が付いた七海はパンパンとたたいていた。
「すまない。今、彼女も開始する」彼が指を鳴らすと、ハアナは動き始めた。問題だったのは… 「ギャ!うわ!いた!」さっき七海がたたいていたからなのか、数秒後にはハアナが地面に倒れていた。
「いた~…」彼女は普通に殴られても大事なのに、ひっぱたかれただけでほっぺたが真っ赤っかだった。
「私は急な攻撃には抵抗できないの!」彼女は七海にワーワーギャーギャーと怒っていた。それを見ていると、一瞬油断してしまった。
僕を殺そうとしている人物は、一滴の油断も見逃さない。また矢が飛んできた。
今回は運よくかすっただけだったが、もしも少しずれていれば僕は今頃、顔に矢を刺したまま地面に倒れていただろう。
「…」後ろの壁に刺さっている矢を見て、その場は静かになった。「とりあえず私が回収しておこう」雄星がつぶやいた。
彼は矢を拾い上げ、彼の胸ポケットに差し込んだ。
入るはずのない矢はするすると入っていき、しまいには消えていた。
僕が振り向くと、窓の外に誰かがいた。顔は隠れていて見えなかったが、男性だということは間違いない。
彼の視線を感じた。ほぼ殺気に近いが、少し違う。復讐というのでもないし、複雑な視線だ。
屋根の上にいた人物はそのまま反対側へと逃げていった。
「どうしたんだ?」七海に訊かれ、僕は七海に目を向けた。
彼女があまり近くにいたので、僕は飛びのいた。
だが、その飛びのいた先にはハアナが座っていて、彼女に突っ込んだ。
雄星はその状況に嫌な予感を抱いていたのか、立ち上がった。「それではやはり私は失礼する」
彼はそのまま部屋を出ていった。「逃げる気かー!」僕は慌てておったが、もうそこには誰もいなかった。
「蓮田ー…」後ろからハアナの声がしてきた。
これはやばい気がする… だが、僕は受け入れるしかなかった。
それから数十分の間は彼女のお説教を受けていた。
その数十分後に気づいたことだが、時間はまだ止まったままだった。
だからさっきから静かなのだ。
「どうしよう…このまま時間が止まってたら…」僕の顔は真っ青になった。
「大丈夫だよ、それなら私が始めれるから」そう言って彼女は気が付いた。
「それならこの矢を打った人はどうやってこの時間を止めた世界の中で動けたんだろうか…」僕も少しはそのことを気づいていた。
あそこにいた人物は時間を止めた世界で普通に動いていた。そこで、あることははっきりとした。犯人は、七海の持っている道具を持っているということが。
「でも雄星が止めた世界で動けるのかな…」すると、違う部屋から声がしてきた。「確かにそうだな、お前たちの道具は通用しない仕組みになっているからな」
その声の持ち主は優勢だった。どうやら戻っていったが、同じことを思い出して戻って来たらしい。「それと、私が始めなければこの世界は一生固まったままだからな、君の持っている道具は一つも効かないようにしてある」
僕たちはため息をついた。ということは七海と同じ道具を持っていても今の世界では動けないということだ。そう聞くと、七海はすぐさま質問した。
「他に誰か時間を止めても動ける奴はいるのか?」彼は頷いた。「私の工場にいる者たちだ。あそこは大体の道具が使えないようにしてある」
僕は頭を悩ませた。「ということはそこで働く人たちが犯人ということなのかもしれない」しかし、彼はそれを否定した。「その力はあの工場内でだけだ。こっちに来れば普通の凡人と同じだ。来るものなど普通はいないのだがな、しかも向こうの世界に行く者も、な」彼は僕、七海とハアナをにらんできた。
絶対僕たちのことを話しているのだろう。
「ということは方法がないってことなのかな…」だが、彼はまた首を振った。「それも違う。方法ならある。だが、とても慎重にやらないといけない。彼が先にこの世界の時間を止めればいいのだ。だが、私が止める一瞬前に止めるのはそこにいるものでもするのは少し難しい。」
彼は僕たちを鋭い目で見渡した。「ということは私の力を知っていてどこかで監視していたか、私たちの中に共犯者がいるということだ」僕たちはお互いを見合った。
「私かもしれない、君たちかもしれないし、お前かもしれない」彼は彼自身を指さすと、ハアナと七海を指さしてから、しまいには僕を指さしてきた。「いやいやいや、まってよ」七海が彼を止めた。「自分が死にかけたのよ?普通そんなことする?」彼はそっけなくうなずいた。「人間というのは自分の命を使ってでも何かをしようとすることはある。だから、何が起こってもおかしくない」それには七海も反論できなかった。
「とりあえず、今はそうだとは思わないほうがいいだろう。仲間外れになるのはやめたほうがいい」そこで、ハアナが立ち上がった。
「犯人、あんたじゃないの?」彼は一瞬反応したが、すぐ冷静になった。「何を言っている。まだ分かったわけでは…」彼女は一瞬で答えた。「もうわかってるのよ。本当にあんな理由で帰ってきたの?前だって本人はつかまってたし、何か弱点があって、それをあんたが知っているとかじゃないの」彼はきっぱりと首を振った。「断じてそんなはずない」
「それじゃ、初めてよ」ハアナがぽつりと言った。「「「は?」」」その一言には僕たちも反応してしまった。「本当に雄星なら時間を開始できるだろう?」すると、彼は胸ポケットではなく、腰にあったポケットに手を入れ、時計を取り出した。
「や・っ・ぱ・り・ね・」その時には僕たちにもわかった。彼が本物ではないことが。
「あの時工場で働いている人を無罪にしようとしたのは、普通に彼らを巻き込みたくないから、それか、そっちに行って、本物の雄星が見つかったら、ってこところかな」彼は歯を食いしばり、その場を逃げていった。
ベランダから飛び降りると、そのまま下を走っていった。
だが、そんな速度ではハアナに軽々と追い詰められてしまう。
彼は急いでいたのか、ちゃんと前を見ていなかった。
目の前からトラックが来ていたことも気付かず。
「わー!」運転手は急にハンドルを右へと回したが、もうそのころには遅かった。
バンッ! 運転手は慌てて外に出て、前を見たがそこには赤い血が少し飛び散っていただけで本体はどこにもなかった。

「くそ、あいつらめ…」壁にもたれかかりながら、苦し気に彼はつぶやいた。
「絶対殺してやる。浩紀の息子め!」彼はからはぽたぽたと赤い血が垂れ落ちている。
だが、ゆっくりと回復しているようだ。
彼はそのまま体を引きずりながらその場を去った。

「というか本物ってどこなんだ?今頃」僕たちが話していると、七海が襖を開けた。
「あ、居た」そこには雄星が座っていた。「時間、止められてるぞ…」七海は深くため息をついた。「自分の能力には効かないのに自分自身には効くのかい!」彼女はワーワーと叫んでいた。
「試してみるか」彼女は時計を取り出して、上にあったボタンを押した。「いったいなんで私はこんなところに…」普通に雄星は動き出し、周りを見ていた。
「君ができないといったことをしただけだよ」それを聞き、雄星は目をそらせた。「そ、そうだったのか」七海は彼の前まで歩み出て、にっこりとした顔で彼の顔を覗き込んだ。
「さっき、私の道具が効かないとかどうこう言っていたけど、どういうことかな?」そこで、僕はハアナを止めた。「いや、あの時はもう偽物だったんだから。本当はそんなことないでしょ」しかし、彼女は首を振った。どうやら二人とも僕が知らないことを山ほど知っているようだ。
彼女は首を振った。「あの時はまだ本物だったよ。あの後に入れ替わったの。私たちの目を欺いてね」ということは、僕たちの目の前で入れ替わったということだ。
「まあ、多分あの時だろうね。あの工場の話が現れる数秒前だと思う」彼女はため息をついた。「あのね、そこまで偉い人ならどうして私が知っているなかなら二階もつかまってるのよ」彼女は雄星に向かって完全にあきれていた。
まあ、彼女は一度腕半分をなくしたことはあるけど。
個々の中で一番強いとすればハアナだ。どんなことが起こっても大丈夫な気がする。
壁に突っ込んでもまだ平気なほどだから。
「とりあえず私は犯人を追ってくるわ」彼女は僕のす素を持つと、猛烈な威力で引いた。
僕はまるで自分が風船かのように宙へ舞い上がり、その次には矢が通りかかった。
「それじゃあまた」彼女もベランダから飛び降りて、矢が飛んできた方向へと駆け出していった。
僕は壁にもたれかかったままポカーンとしていた。彼女は知っていたのかもしれない。矢が飛んでくるということを。
一番信じられることといえば彼女が犯人を見たということだ。じゃないとこんなスムーズに動けないだろう。
僕たちはとりあえず、彼女が返ってくるのを待った。雄星はもう消えていた。多分めんどくさいことにはかかわりたくないということだろう。
興味あることには参加して、めんどくさくなったら逃げていくっていうのが彼なのかもしれない。
「とりあえず、ハアナが返ってくるのを…」ちょうどそこへ、足音が聞こえてきた。
ベランダを見てみると、ハアナが立っていた。彼女は手に弓を持っているが、顔を見れば焦っているのだとすぐにわかる。
「ここには、こなかったみたいね」彼女がまたどこかへ行ってから数秒が立った。
今からすれば数秒前がとても平和だと思えるほどだ。
「動くな!」僕は今、人質になっていた。
なんでこうなったんだ… どうしてかはわからないが、僕は全く怖くなかった。
というかなぜかあきれていた。犯人のしていることに。
「本当にいいのか、それで」僕は見る動作をした。
「黙れ!」犯人は結構めんどくさいタイプだった。
僕の話をろくにも聞いてくれなさそうな。
「あ~の~ね~…」僕はめんどくなってきた。
どうしてかはわからない。今までの僕だったらこんなことは考えもしなかっただろう。
僕は自分に驚いているほどだった。
だが、なぜか表情には出せなかった。
「どいてくれる?」僕の目つきはおかしかった。
犯人は少し怒った声で言っていて。「あ、あんた、死んでもいいの!」
僕は首を縦に振った。
僕は自分が行かれているとも思ったほどだ。
自分で死にたいなんておかしなことだ。
だが、体は勝手に動いてしまった。
勿論というように僕の体はいうことを訊かなかった。
「いいとも、やってみろよ。できるのならな」犯人の手は震えていた。
何かいい方法な気がしたので、僕はそのまま続けた。
「早くやれよ!」僕は自分の本当に切れた声を聴いたのはほぼ初めてだった。
なので、僕自身も驚いていた。
一体どうなったらこんな状況になるのかを説明したいところだが、そんなことをするのはめんどくさいので市内でいいと思う。
犯人が逃げていったからだ。
僕を殺す気などなかったのだろうか。
だが、犯人からは紛れもない殺気を感じていた。
僕はいったいどうして体が気づいたのか、全く分からなかった。
「どうしてわかったの?」七海に訊かれたが、僕は首をかしげる以外のことは何もできなかった。
それが事実だ。僕の体が勝手に動いていたのだから。
「そうか…勝手に…」彼女たちは犯人を追わなかった。
別に追っても意味がないとハアナが言っていたが、僕にはその意味が分からなかった。
「でも逃げられたら困るじゃん」彼女は深くため息をした。
「本当にわからないんだね、彼はいずれつかまる。それまで待つだけ。動いて何か厄介なことをしてしまわないようにするのが今、私たちができること」
僕がそれを聞いて気になったところはたった一つだ。どうして、彼女は犯人が男だと分かったのかということだ。
確かに僕からしても犯人は男だ。だが、これもただの勘だと思う。
だが、彼女はそれ以上教えてくれなかった。
僕たちはそのまま窓もとも占めて、ベッドの中に入った。
その時気が付いたことが一つあった。
ハエだ。普通のことなのかはわからないが、ハエが最後見た時から全く動いていなかった。
ハエの前に行き、仰いでみたがピクリとも動かなかった。
「あの…まだ時間って進んでないことない?」七海が慌てて台所への襖を開けると、そこにはお母さんが立っていた。
本来ならもう夜の十時ほどだ。だが、外はまだ夕方の八時ほどでお母さんは瞬きもしていなかった。
七海は慌てて時間をはじめ、ベッドの中に突っ込んだ。
だが、彼女が入ったのは僕のベッドだった。
「自分のベッドは無効でしょう」僕は七海のベッドを指さしたが、彼女はハアナを指さした。
「彼女があそこで寝るからあんたと寝るのよ」僕は目をぱちくりとした。
ハアナはそれを聞くと、急に態度を変えた。さっきまでのしっかりとした雰囲気はゆめだったようだ。
「私と一緒に寝るのもいいのよ?」すると、七海は今までで最高の突っ込みを入れた。
「絶対いや!」彼女はまるで威嚇する虎猫のようだった。僕は七海の近くに行くと、耳元で聞いてみた。
「彼女が嫌な理由は何かあるでしょ?七海はそんなタイプじゃないだろうし」だが、僕はどんなタイプを想像していたのかを言わなかった。
「彼女は寝相がめちゃくちゃ悪そうだからよ」そう聞いたとき、僕の頭に浮かんできたことはたった一つだった。
お互い様だな… 彼女に睨まれたと思ったが、気にしなかった。「さ、寝るぞ」僕が眠りに落ちる数秒前にお母さんの声が聞こえてきた気がしたが、空耳だろう。

僕が起き上がると、ハアナがその場にいなかった。
「!?」僕の横を見てみると七海もいなかった。
彼女たちはいったいどこにいたと思う?
もしも充てることができたのなら君は天才だ。って誰に話しているんだ、僕は…
二人は天井でお茶会を楽しんでいた。
「あ、起きた」ハアナは天井から顔を上げて見下ろしてきた。
僕はため息をつく以外に何もできなかった。
とりあえず、まだ生きていてほっとするだけだ。
「まだ生きていてほっとしたよ」七海は僕が頭の中で考えたことをコピペして言った。
僕はベッドから起き上がると服を持ってトイレの中にこもった。

着替えると戻っていき、パーカーを着た。
「それで、ハアナはこれからどうするんだ?」時間を見てみるとまだ六時で、お母さんも起きていないはずだ。
ハアナが気づかれないまま帰るのならな今の内だった。
だが、彼女はそこに座ったままだった。
「別に帰らなくてもいいよ。また来るだろうし、このまま学校行けばいいじゃん」
彼女はランドセルをしょって立ち上がった。
僕は彼女が本当に所持なのかと疑ったほどだ。
彼女が昨日から着ていた服を着たまま学校に行くといったからだ。
「いや、服は着替えてから行こうよ」だが、彼女は小さく首を振った。
「家に帰るわけにはいかないよ」彼女は少し目をそらした。
家で何かがあったのかと僕は思い、もう訊くのをやめた。これ以上訊いても多分教えてくれないだろう。
僕たちはお母さんの目を欺いて学校に向かおうとした。
だが、それは結構悪い結果で終わった。
「蓮田と七海~?」そろそろとお母さんの部屋の前を通ると、ドアがガバッと開いた。
僕たちは驚いて恐る恐ると横を見た。
そこにはにっこりとしているお母さんが立っていた。
「君たちは何をしているのかな?」お母さんにつかまったら厄介なことになるので、僕たちはその場を走って逃げた。
数十分走っていると、学校の前に立っていた。
僕と七海は汗びっしょりだったが、ハアナはまるでジョギングをしていた感じだった。
「本当に…体力あるね」七海はそういうと、ハアナは首をかしげた。「そうかな、普通だと思うけど」七海と僕は完全に否定した。「どこが!」
僕たちはめちゃくちゃ時間があったから、校庭で座って話していた。
それから数分後には斉木双子が学校に入ってきた。
二人とも僕たちを見ると、驚いていた。
「お、お前たち…こんな時間に来たって…」僕たちは一瞬照れていたが、弓田がそれを完全にぶち壊した。「どこか故障したか?」
彼の質問には誰も答えなかった。
その代わりという感じで、僕たち三人は彼に視線を向けた。
人間というのはたくさんの人から視線を向けられると結構ストレスがたまる。それは慣れるまで時間がかかる。
「な、なんだよ」彼も同じ状態になっていた。「いや」七海は答えたが、見つめ続けた。
弓田は30秒も持たなかった。彼はそのままその場から逃げていったのだった。
「ま、あとは学校が始まるのを待つまでか」僕は地面に寝そべって空を眺めていると、目を閉じてしまった。

その時、夢を見た。
今回ははっきりとしていた。
一人の少女が立っていた。
その前には親らしい人がいた。
僕は自分の手を見てみると、少しだけ透明で、少しだけ光っていた。
周りの光とは逆らっているかのようだった。
自分の手を見ていると、音が聞こえた。
パチン! 顔を上げると、親は二人とも怒っているように見えた。
「お前なんか俺の娘じゃない!出て行け!」その時思い出した。
七海の額にあったあざ。しかもそれは今、目の前にいる男がたたいたと思える場所に残っていた。
だが、七海の姿ではなかった。もっと違う人で、もう少し汚れていたように見えた。
彼女は草しそうな涙を流しながら立ち上がり、勢いよくドアを開けてに出ていった。
僕は壁を通り抜けることができたのでその少女を追ってみた。
彼女はそのまま町の中を走っていき、向かったのはあの工場だった。
彼女は大きな山を上っていき、工場の中に入っていった。
そこには運がいいのかわからないが、警備員が通らなかった場所を走っていき、一つの穴に入っていった。
それは、僕たちの世界に戻るための穴だった。
僕も入れるのかはわからなかったが、僕も飛び込んでみた。
吸い込まれるように中に入り、気が付けば僕の知っている場所にいた。
僕の家から数十秒で行ける場所だ。
彼女は指を鳴らすと、二つ物を取り出した。
一つ目を食べると、僕の知っている七海に変わった。
あの体は偽物だったということなのだろうか…
二つ目のは、猫の形をしていた。
彼女がそれを食べると、みるみると猫へ変身した。
そのまま猫に変わった少女が歩いていくと、その先には僕がいた。
この時、僕は七海に出会ったということだ。
ということは、七海が親を知らないというのはうそだったということだ。
しかも七海の体は本体じゃなということだ。
意味が分からない。いったい何が本当で、何が偽物なのだろうか…
目の前が暗くなった。

「れ…た」どこかからか声が聞こえてきた。
「れん…た」少し途切れているが、自分の前を読んでいるような気がした。
「蓮田!」恐る恐ると目を開けると、そこには七海がいた。
周りを見てみると学校にはもうたくさんの人が集まっていた。
結構時間がたったようだ。「よかった、死んだかと思ったよ。心臓は動いていたけど」
七海はほっとしたような口調で言った。
「七海は…その…」聞こうとしたが、やめた。
「何?」七海に見積まれたが、僕は首を振った。
「いや、何でもないよ」
あれはきっと、ただの夢だ。
現実ではない。ただの夢。
僕が気にすることはない。
そう信じたかった。

だが、そう簡単にはいかなかった。
屋上に出ると、ついついそのことを考えてしまった。
もしもあれが本当だったら、僕が知っている彼女は偽物だとすれば…
僕はついついそう考えてしまって、まともに休むこともできない。
僕はストレスがたまりすぎて頭を掻きむしった。
「どうした?今日は様子がおかしいけど」僕は七海に何でもないと、嘘をついた。
なんでもないことなんかじゃないのに。
「そう」彼女はまた地面に寝転がって空を眺め始めた。
それから3時間ほどが経ち、学校が終わった。
今日はなぜかとても平和だった。
誰にも狙われないし、何事も起こらなかった。
下校中に僕は七海を見た。
彼女は不思議そうに僕を見てきた。
「何?」僕の心を読んだのか、僕が質問をしたいと分かったようだ。
僕は言うのが少し苦労した。
「その…」僕はまた口を閉じた。
「七海ってさ…」僕は勇気を振り絞って訊いた。
「本当は誰?」これが質問だった。今日ずっと聞きたかった、質問。
彼女は一瞬固まったが、また歩き始めた。
「どういう意味かな、私は私だよ」僕は彼女をにらんだ。
「嘘つき、僕は夢を見たんだ。僕と出会う少し前の七海を」彼女は目をそらした。
「そうなんだ…」彼女はそれから話さなくなった。
僕も話さなかった。
七海は何か話題を作ろうとしていたが、効果はなかった。
僕たちの沈黙は続いた。

次の日も七海は起きると消えていて、学校に行くと教室の席に座っていた。
僕に目もくれなかった。
これが彼女の本性なのだろうか。僕は心の中で思った。
一人で過ごして一人で生きる。
彼女は僕を避けていた。
もう何日も口をきいていない。
弓田と晴香は不思議そうにハアナから話を聞いていたりしたが、この状況は何日も続いた。

だが、それはある日。
僕はハアナと家に帰っていた。
「大丈夫なの?」七海は僕を見てきた。
「何が?」僕もそこまでは困っていなかった。
これが昔では普通だったからだ。
「七海と仲直りしたら?」だが、僕は答えなかった。
彼女も彼女だ。何か自分で考えているのだろう。僕が邪魔するわけにはいかなかった。
「何言ってんの…」ハアナは次々と僕に質問してきたが、僕には聞こえなかった。
彼女と別れると、家に帰った。そこには誰もいなかった。お母さんとお父さんは仕事だ。
なぜかはわからないが、嫌な予感がしていた。
自分の部屋に入ると、そこには一枚の紙が置いてあった。
『ナナミを返してほしければお前の好きな場所に来い』

「彼は来ない」その声を出したのは七海だった。
「いいや、来るさ。君を助けにな」その声は男の声だった。
「彼は必ず来ない。そのために何日も見捨ててきたのだから」七海は鎖でフェンスにつながれていた。
「いいや、彼は来る。それはすぐに証明されるだろう」男の手には剣があった。
それから数分が好きが。誰も現れない。
数十分すぎた。「やっぱり来ないでしょ」それを聞いて男は剣を七海に突き付けた。
「これで死にたくなければ黙ってろ!」七海は今まで蓮田と話さなかったのは蓮田を守るためだった。
彼女は蓮田が狙われるのならば、彼に近い誰かが狙われるだろうと思った。
だから、一番可能性のある自分から彼を遠ざけたかった。
だが、それもうまくいかなかったようだ。
「七海!」その声を聞いて男はにやりと笑った。
「こいつが死んでほしくないのならばお前が首を切れ」彼は剣を投げた。
そこにいたのは蓮田・僕だった。
「なんで来たの!」七海は涙を含んだ声で叫んだ。
「蓮太は…巻き込みたくなかったのに…」
僕が来たのはたった一つの理由だ。
やっぱり、友達というのは持っていてうれしいものだった。たとえ家族になっていても、僕からすれば親友だ。
そんな人を見捨てるなんて僕にはできなかった。
僕はその剣を手に持つと、首元に持っていった。
「やめて!」七海はバタついたが親指は両方包帯でぐるぐる巻きになっているので指を鳴らすことができなかった。
「ごめんね」だが、僕の視線は違う方向へと向いていた。
七海ではない。男のほうだった。「君はここで終わるよ」僕は勝ち取ったかのような深い笑みを浮かばせた。
「な!?」男は一瞬耳を疑っていた。七海も泣き止んでいた。「え?」
僕は刀を首元から話、僕の目の前までもっていった。
「こんなもので僕が死ぬとでも思った?」僕はにやりと笑った。
僕は鋼をつまみ、力を入れた。
数秒後には剣が地面に落ちていた。
鉄の場所がボロボロに砕けて。
「お前、雇われただろ」彼は強く頭を振った。
「それなら消えろ。二度と僕の前に姿を見せるな」
彼は慌てて逃げていこうとした。
「と、しようと思ったんだけど…」僕の手には小型ナイフがあった。
「やっぱりプラン変更」その刃先は男の腹に当たった。
彼はそのまま地面に倒れた。
「!?」七海はとても驚いていた。
僕は男をひっくり返し、ナイフを拾い上げた。
「な…」僕は七海の鎖を切った。
「何をしてるのよ!」彼女は信じられないような目で僕を見てきた。
「何が?」僕はきょとんと首をかしげた。
「何が?じゃないでしょ!なんで彼を刺したの!」その言葉を聞くのはずっと待っていたことだった。
僕は爆笑した。
「いや、誰も指していないよ。自分の目で確かめてみたら、血なんかある?」男を見てみると、一切血などなかった。
「これはおもちゃだよ。僕が遠い昔の正月だったかな。これを買ったみたいなんだ。ベッドの下から出てきた。プラスチックでできてるから結構リアルに見えるんだよね」
僕は先っちょを押してみると、へこんだ。
「彼はただ、刺されたと勘違いして気絶しただけ」七海はほっとしたのか、地面に座り込んだ。
「ちょっと~、私の出番、なかったよね」入り口の上から誰かの声がしてきた。
そこにはハアナがいて、僕たちをさっきから見下ろしていた。
「あ、ごめん。気絶しなかったときのバックアップだったんだけど、意外とあほだったみたいだから」
その後、僕たちは警察を呼び、彼は連れていかれた。
これで一応一件落着、また次の事件が起きるまでは問題ないだろう。
まあ、次の時間が起きるときに僕たちが生きていればの話だけど。
生きていると願うだけしかできないよ。本当にめんどくさい…
僕は心の中で笑みを浮かべた。

この記事が参加している募集

ろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!