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今は屋上にいる。
横にはホノカがいる。
身動きは取れるがホノカを引きずらないといけない、面倒な時間になってしまった。
屋上から見える景色はいつもきれいだ。
春にはピンクの木々、夏には波に乗る町、秋には真っ赤な街、冬には白い街。
どこもかしこもいつもそうだ。
僕は立ち上がるとフェンスの前まで歩いていった。
ホノカをゆっくりと引きずりながら。
僕は彼女が面倒に思った。だが、どうすることもできない。
「なあ」僕はホノカにつぶやいた。「できたらのいてくれるか?」
だが、彼女は首を横に振った。
僕はため息をついたが、何もできない。
屋上から下を見ると、何か黒いものが見えた気がした。
だが、気のせいだと思い、考えることはやめた。
「なあ、お願いだよ」だが、彼女は動かなかった。
屋上から出ていくのもずっとホノカを引きずっていかないといけなかった。
だが、もちろん何もできない。
いったい何だろうか。僕は考えた。
あの猫はなぜか気がひかれた。
すると、後ろに猫が現れた。
ホノカはまだ気づいていないようだ。
勿論おかしくもない。なぜかというとその猫はほんの少しも音を立てていなかったからだ。
僕はちょうど司会の中に入ったので分かったが、彼女は屋上から下を見てばっかりだ。
猫は1歩も動かなかった。だが、私はゆっくりと後ろを見た。
その猫は確かに立っていた。
だが、普通の猫とは違うのは尻尾だ。
尻尾が3本に分かれていたのだ。
僕は目を細めた。夢ではないのかと思えるほどだ。
猫は一声、「ニャ~」と、鳴いた。
すると、猫が歩いていった。
僕はつい、ついていきたくなってついてしまった。
だが、少し様子を見てからにしようと思い、猫が歩いていくのを眺めていた。
なぜか足音を立てずに歩き、とても不思議な空間だった。
僕はしまいについて行ってしまい、そのまま行った。
ホノカは首をかしげながらもついてきたのでもっと楽になった。
僕はそのまま猫についていくと屋上から降りていき、そのまま堂々と階段を飛雄いりていった。
まるで僕たちについて来いといっているかのようだった。
猫は僕たちと合わせたペースで歩いていった。
だが、通りかかる人は猫が見えていないかのようだった。
仕舞いには学校から出て行ってしまった。
一応昼休みだったが、学校から出ていくのはいいことなのか分からなかった。
だが、もう外にいるからには仕方ない。僕はついていった。
猫は曲がりくねった路地を進んでいくとそこには山への道が現れた。
猫は迷わずまっすぐ山を登っていった。
ついていくと、だんだん暗くなった。
太陽の日が木々に遮られ、僕は視界がゆっくりと奪われていった。
仕舞いには目の前しか見えなくなってしまった。
そこまでこの山は木があったかは思い出せない。
だが、少しはおかしいと思った。
そんなことを考えている暇もないようだ。
僕の目の前には大きな岩が現れた。
だが、猫はその岩の中に入っていった。
僕はそろそろと手を入れてみると手は中に入った。
まるで岩が透明のようだ。
中に入ってみるとそこは真っ黒の世界だった。
だが、その暗闇でも猫の目は光る。
まるで猫の目が海中デント化のようだった。

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