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「おい!」僕は七海ななみに向かって叫んだ。
彼女はむしゃむしゃとおやつを食べていた。
そこまでは別にどうでもいい。だが、問題なのは彼女が僕のおやつを食べているということだ。
「何?」彼女は無実の顔で僕を見てきた。僕はため息をついておやつを奪い返そうとした。
「ちょ!私のおやつ!」だが、僕は言い返した。「これは俺のだ!」「いいや、私の!」
ちょうどそこへお母さんが現れた。起きたばっかりなのか、妖気を感じているのかはわからないが、彼女の髪はめちゃくちゃ立ちまくっていた。
「何なの?うるさいんだけど」僕たちは同時に叫んだ。「「こいつが私・僕のおやつを盗もうとしてる!」」すると、お母さんの眉毛が六ミリほど上がった。七ミリだったかもしれない。
「私は誰にもおやつを上げてないけど?」僕たちはお互いを見て今の状況を理解した。「今は逃げるよ!」僕たちはおやつを机に置くと慌てて靴を履き、鬼に追いかけられながら飛び出した。
まだお母さんには七海の道具は見つかっていないだろうが、もう気付いているかもしれない。お母さんの勘は結構鋭いからだ。
僕たちは透明マントで隠れると、ため息をついた。「七海のせいだ」「いいや、蓮田れんたが悪い」「「そっちが私・僕をチクったからだ!」」すると、目の前から声がしてきた。
「あれ~?どうしてここら辺から二人の声がしてくるのかな~?」もうこれはばれると思ったので、僕たちは『変身バッジ』(どんな人にも虫にも動物にも、生きているものなら何にでもなれるバッジ)を使って雀に変わるつもりで、ゆっくりと進み、七海が指を鳴らした時と、同時に僕たちは雀に変わって飛んでいった。
できるだけ遠くに行くと、体をゆすってバッジを外した。だが、そこがどこなのかを考えていなかった。
適当な家の屋根だ。僕たちは飛び降りないといけなかった。ここで道具を使えば誰かにばれる可能性がある。
もう雀が人間に変身したということで見つかってるかもしれないが。だが、運よく見つかったのは唯一この道具を知っているハアナだった。
「そんな屋根上で何してるの…」彼女は僕たちに気づくとあきれて上がってきた。彼女は人間並み以上の体力と身体能力を持っていて、この塀を軽々と昇って屋上まで上がってきた。
「それで、いつ降りるつもり?」僕と七海はお互いを見て下を見た。「えっと…そうだった…」僕たちは飛び降りると、立ち上がった。このぐらいなら簡単に飛び降りることができる。
運よくこの家は一階建てだったので足が痛むことはなかった。
「そして、一応訊くけどどうしてあんなところにいたの???」彼女はめちゃくちゃ興味がありそうだった。
僕たちは仕方なく吐くことにした。「えっとその…色々とあってね…」やっぱり吐くことはやめた。
「まあ、それはいいけど、まさか雀とかカラスになって飛んできたとかはないよね」どうやら彼女はすべてを見ていたわけではないようだ。
まあ、それが正真正銘、事実のできことだったのだが。僕たちは時間を見ると、学校に行かないといけない時間だということが分かった。
だが、帰ればお母さんが待っている。とことこと変えるわけにはいかなかった。「どうにか物を取り寄せれる方法はある?」僕たちは結構やばいことに入っていた。
彼女は考えてから頷いた。「でも何かと入れ替えるする必要があるんだよね」すると、ハアナがあるところを指さした。近くにあった自由に使っていい駐車場を指さした。
「あそこならたくさんあるよ、入れ替えれるものが」僕は慌てて止めた。「いやいやいや、車はやばいでしょ!僕たちの家が爆発するよ!」彼女は噴出した。
「爆発って…なんで家に爆弾とかが仕掛けてあるんだよ…しかもそうじゃなくてその下にあるものだよ」僕たちは目を少し落としてみた。
そこには灰色の石ころがゴロゴロとおいてあった。僕は彼女の言いたいことが分かった。「あれを粉々に割って一粒一粒使うってことだね!」「いや、違うよ」ハアナと七海はまるで僕が馬鹿かのようなべで見てきた。「割らずに使うんだよ、普通にね。まあ、また下校後には誤ればいいでしょ、もうちょっと怒りが収まったときに」
僕は仕方なく石ころを拾うと彼女の取り出した一枚の板に乗せた。「それじゃあ…」彼女がボタンを押すと、石ころが消えて、その代わりに七海のランドセルが現れた。
少し空中に現れたので地面に落ちて、中に入っていた教科書がばさりと音を立てた。
その次には僕のランドセルを送ってくると一番問題になったのは水だ。多分お母さんは準備をしていないだろうし、帰るわけにはいかなかった。
すると、ハアナがいい考えを取り出してきた。「私が君たちのお母さんの気をそらせておけばいいんじゃない?」
僕たちは彼女にお願いして一緒に歩いていった。彼女が先に家へと入っていって、気をそらしてくれていた。
僕たちが中に入ると、水筒を用意し始めた。ちょうどそこへ、ベランダからノックの音が聞こえてきた。
僕がベランダのドアを開けてみると、そこには一枚の紙が置いてあった。
その紙を拾ってみたが、何も書かれていなかった。
その裏を見てみると、あるマークが書いてあった。黒い吹き出しに目が書いてあった。
僕からすればこれは悪党のマークにしか見えない。「これ、知ってる」彼女はつぶやいた。
彼女が指を鳴らすと、あの『スマホ』が現れた。「やっぱり」彼女がスマホをひっくり返すと、そこには同じマークが書かれていた。
「これはこの道具を作る、前行ったことがある所の紋章だ」僕は目を丸くした。

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